エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)の2021年秋冬コレクションが発表された。シーズンテーマは「明るい冬へ」。
エミリオ・プッチといえば、最初のブティックをカプリ島にオープンするなどサマーリゾートのイメージが強いブランド。しかしながら、世界中を駆け巡るアクティブな人物として知られている創設者エミリオ・プッチがキャリアをスタートさせたのは、実はスイスのスキーリゾートである。今季は、そんな風に季節を問わずポジティブなクリエーションを届けようとした彼のスピリットにオマージュを捧げたものだ。
インスピレーション源になったのは、フランス南部のビーチリゾート・サントロペから、スイスのスキーリゾート・サンモリッツまで、リゾート地に流れている喜びに満ちたムード。ダークトーンになりがちな秋冬シーズンでありながら、オレンジやイエロー、グリーンなどの鮮やかなカラーや、純白のスノーを彷彿とさせるホワイトなどを織り交ぜて、晴れ渡るように明るいクリエーションに仕上げている。
印象的なアイテムは、スキージャンプの競技用スーツを彷彿とさせるフード付きボディスーツ。これに、ボリューミーなキルティングボンバージャケットや、ロング丈のダブルフェイスコートを重ねるスタイルを提案している。2アイテムのレイヤードながら奥行きのあるルックを演出できるのは、エミリオ・プッチのアーカイブから着想したグラフィカルなパターンだからこそ成せる技だ。
レッグラインを露にするタイツも特徴的。時にはミニ丈ワンピースやショートパンツの下に差し込んで、時にはクリスタル&フェザーで装飾したシアーなドレスからちらりと覗かせて、秋冬のルックとは思えぬほど、全身のバランスを軽やかに仕上げている。