企画展「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」が、神奈川県立近代美術館 葉山にて、2021年4月11日(日)まで開催。なお、同館は2021年1月12日(火)より、当面のあいだ臨時休館する。
神奈川県立近代美術館 葉山での開催終了後、東京の渋谷区立松濤美術館にも巡回予定だ。
フランシス・ベーコンは、イギリスを拠点に活動し独自の具象画を確立した、20世紀を代表する画家だ。アイルランドのダブリンに生まれ、独学で絵画を学んだベーコンは、ベラスケスやファン・ゴッホを参照しつつデフォルメされた身体や叫びを上げるかのような人物画を手掛け、同時代の美術界に大きな影響を与えた。
ベーコンの無比の作風へと結実する制作過程──素描、参照していた印刷物、そしてほとんどを破棄したとされていた初期作品など──は、生前は謎に包まれていた。しかし、生前のベーコンと親しく交流していたバリー・ジュールは、亡くなる直前の画家から、それら貴重な作品や資料を譲り受けていた。
企画展「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」では、死の直前までベーコンが手元に残した初期絵画や素描、資料など約130点を日本で初公開。生前に明らかにされることのなかった着想源に光をあて、この画家の知られざる姿と制作の秘密に迫る。
ベーコンは、20代の初めにシュルレアリスムなどの影響を受けた作品を手掛けた。しかし、それら初期作品の多くは、すでに破棄されていると考えられてきた。本展では、キュビスム風の《自画像》など、初期の貴重な油彩画10点を展示する。
「人」に関心を持ち続けたベーコンは、雑誌や新聞上に掲載された著名人の肖像写真に色や線をのせた作品を数多く残した。会場では、映画『戦艦ポチョムキン』の1シーン、ボクサーや自転車選手、そして写真家エドワード・マイブリッジによる連続写真の上に描かれたドローイング作品などを日本初公開。完成された油彩画への展開を垣間見られる、貴重な資料の数々を目にすることができる。
企画展「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」
会期:2021年1月9日(土)〜4月11日(日)
※2021年1月12日(火)より当面のあいだ臨時休館(再開時期や今後のスケジュールに関しては、美術館ウェブサイトを参照)
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 展示室2〜4
住所:神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
TEL:046-875-2800 (代表)
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日: 月曜日(1月11日(月・祝)は開館)
観覧料:一般 1,200円、20歳未満・学生 1,050円、65歳以上 600円、高校生 100円
※中学生以下と障害者手帳などの所持者(および介助者原則1名)は無料
※「フランシス・ベーコン」展の観覧券で、同日に限りコレクション展「イギリス・アイルランドの美術 ─ 描かれた物語」を観覧可
※ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜日:2月7日、3月7日、4月4日)は、18歳未満の子ども連れの家族は割引料金(65歳以上のぞく)で観覧可
※その他割引あり(要問い合わせ)
※来館に際しての注意事項および最新情報は、美術館ウェブサイトを確認
■巡回情報 渋谷区立松濤美術館
会期:2021年4月~6月
住所:東京都渋谷区松濤2-14-14