ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)の2020年春夏コレクションが、2019年9月28日(土)、フランス・パリで発表された。
シーズンテーマは「ビギニング(Beginning)」。デザイナーの二宮啓がもう一度初心に帰って作り上げたクリエーションだという。
いつにも増してボリューミーなドレスが存在感を放った今季。そのボリュームは、ふんわりとしたレースのフリルをいくつも重ね合わせたり、 立体的なモチーフを組み合わせたりすることによって生み出されて、ボディをすっぽりと覆ってしまう。ハーネスに球体状のフリルを無数にくくりつけたものや、クリア素材でできた棘のような突起物を並べたもの、雲のようにふわふわと浮遊するものなど構築的なピースがランウェイに姿を現わす。
カラーは、ホワイト、ブラック、そして植物を模したヘッドピースからも連想されるグリーンがメイン。ショー序盤は、純白のウエディングドレスのようなピースが続き、ピュアなムードで進行。繊細な刺繍を施したレーシーなベールもロマンティックな雰囲気を醸し出すのに一役買っている。
中盤は黒いレザーを起用したピースが目を引いた。人間の肋骨のようなフォルムを纏ったライダースジャケット風のドレスや、いくつものレザーベルトを巻きつけることで広がりを抑えたドレスなどが歩みを進めていく。
フィナーレに向かって続々と登場したグリーンのドレスには、イエローや水色も織り交ぜつつ、もこもこと起毛したファブリックを採用。フリンジをふんだんにあしらったものは、ホワイトやブラックとともに、美しいグラデーションを生み出している。
ラストを飾ったのは、結晶のようなクリアパーツを、パズルのピースのように組み合わせた透け感のあるドレス。それぞれのパーツはモデルの歩みとともに揺れ動き、頭上の植物の力強い生命力を称えるかのように、まばゆい煌めきを放っていた。なお植物を模した印象的なヘッドアクセサリーは、引き続きフラワーアーティストの東信が手掛けている。