King Gnu(キングヌー)———2017年の結成年からフジロック・フェスティバル参戦し、2年目の2019年夏は、サマーソニック、ロック・イン・ジャパン・フェスティバル、ライジングサンロックフェスティバルなど大型音楽フェスへの参戦が決定。
2019年リリースの新曲『白日』は、日本テレビ系列ドラマ「イノセンス冤罪弁護士」の主題歌に起用されるなど、いま人気急上昇中のバンドだ。
そんなKing Gnu(キングヌー)の楽曲すべての作詞作曲を担当するのが、リーダー常田大希(つねただいき)。また同時に、彼はPERIMETRON(ペリメトロン)というクリエイティブチームを立ち上げ、King GnuのMVやアートワークといったヴィジュアル周りの製作をそのチームで行っている。
常田大希にKing Gnu結成時から最新曲『白日』までのエピソード、そして音楽との出会いについて話を聞いた。音楽を作り、音楽を奏で、音楽の魅せ方までクリエイトする、常田大希がいま思うこととは。
Q.King Gnu『白日』は、ドラマ主題歌にもなり話題曲となりましたね。
今年の年末から年明けにかけて、家を出ずに部屋で1人で作って仕上げた曲なので、ヒットしてちょっと報われたって感じですね(笑)。いろんな意味で、思い出深い楽曲だったので。正月なのに、部屋で1人で曲を作るっていうのも“エモイ”じゃないですか、暗いというか。そのいい“エモさ”が歌詞に入ってきたかもしれないですね。
Q.年始に生まれた楽曲が、1月スタートのドラマ主題歌に起用されるとはすごいスピード感ですね。
異例なくらい急ピッチ。年末・年始こもっている間、俺はデモを作っていて、バンドメンバーを交えて『白日』を録音したのは1月9日くらいじゃないかな。
デモの段階で自分で全パートを入れて、そのデモをメンバーに渡して、各々パートを各々のプレイに修正していくっていうのがベーシックな曲の作り方なんですが、今回の『白日』のように納期がギリギリのものは、レコーディングスタジオに入ってから詰めていく。プレイヤー陣もスキルがあってその場でどんどん対応できるので。4日間くらいレコーディングスタジオにこもって仕上げていきました。
Q.King Gnuといえば、楽曲はもちろんMVも話題ですよね。
MV製作はいつも録音が終わってから。今回の『白日』は、演奏シーン、スタジオライブだけで構成して欲しいっていうのをペリメトロンの映像チームに提案して、チーム内でロケ地はココがいいんじゃないか、白黒(映像)でいこうって膨らませていきました。
Q.今までで携わってきた中で、思い入れのあるMVは?
「あなたは蜃気楼」。2年前、King Gnuとして動き出して、割りとすぐ撮影したんですけど、本当に予算がなくて、自分達で何から何までいろんな仕事をやった作品なんです。深夜ずっと撮影して眠い中、俺は朝8時頃車で機材を返しに行った。
あの頃は「これやりたい、あれやりたい」って物が全部詰め込まれていて、コントロールが効いていなかったというか。稚拙なMVではありますが、いい思い出ですね。
Q.楽曲を作り演奏し、その上でMV製作まで…。常田さんが同じチーム=ペリメトロンでMV製作している意味は?
哲学が共有されるというのが一番大きいですね。自分が成長するように、チームメンバーも各々成長していっているので。1つ目のMVを作ったら「ここがよくなかったね」って反省して、2作目は「こうだったね」って反省して、何年も積みあげてきているので、より強固になっていくというか。
売れたから有名な映像作家さんに頼む、というやり方では到達できない領域があると思います。同じクルーでやっていることそのものに、やりがいのようなものも感じます。
King Gnu(キングヌー)は、2017年の結成からわずか2年しか経てないが、常田率いるメンバーは、Srv.Vinci(サーバ・ヴィンチ)というバンド名で以前より音楽活動をしていた。
Q.「King Gnu(キングヌー)」への変更はいつ決めたんですか。
Srv.Vinci(サーバ・ヴィンチ)の時に渋谷WWW(東京・渋谷のライブスペース)で、レコ発をやったんですよ。そのタイミングで、レコ発を最後にバンド名を変えようってメンバーと話していて。
※レコ発:レコード発売の略で、CDが発売されたことを記念したお披露目イベント。