パリファッションウィークで発表された、ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(Givenchy by Riccardo Tisci)の2012-13年秋冬コレクション。1970 年代の乗馬スタイル、センシュアリティ、フォトグラファーのギィ・ブルダン(Guy Bourdin)の美学からインスピレーションを受け、フェミニンとマスキュリンの融合を追求してきたリカルド・テイッシは、その世界観を一層成熟させて披露した。
ブラックレザーやベルベットをベースに、ブラウン、チョコレート、パープル、グリーン、レッド、ピンクやオレンジなど多彩なカラーをミックスしながら、ラグジュアリーで美しいダークなムードで展開している。
ハイネックやスカーフで首元を覆い、レザーのロングブーツやグローブ、構築的でマスキュリンなジャケットで抑制されたムードを醸し出しながらも、ボディコンシャスなデザインのトップスやミニスカート、妖艶なレース使いで女性のセクシャリティも強調する。このイメージの強い対比が圧倒的な存在感を放った。
耳元には馬の遮眼帯を思わせる巨大なイアリングが揺れる。フレッシュな顔ぶれのモデルたちがランウェイに揃い、うち13人のニューフェイスは今季このショーのみに登場した。自らのスタイルを貫くリカルド・ティッシは、1970 年代の輝かしいスタイルのイメージを自分自身を未来へ投影させているようだ。