イーチ × アザー(EACH X OTHER)は、パリ・ファッション・ウィーク初日の2016年3月1日(火)に、2016-17年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。
会場は、パリ市内にある劇場。円形の観客席で囲まれたステージには「THE FUTURE IS AN INVISIBLE PLAY-GROUND」というメッセージが掲げられていた。モデルたちは、皆濡れたようなヘアスタイルで、オレンジのアイシャドウで目元を染めている。その佇まいは、艶があり美しかった。
ショーのはじまりはとても静かで、チェック柄のロングベストとワイドパンツの組み合わせから。観客に洋服をしっかりとみせるように、ゆっくりと歩みを進める。そこで気付かされるのは、モードの中にユーモアのある仕掛けが溶け込んでいること。インナーのストラップは、肩からずり落ち、一定の位置で止まって、面白いほどに動かない。ショーの中には、じっくりと観察しないと、見過ごしてしまう小さな遊びが潜んでいる。
一方で、カジュアルウェアの都会的な着こなしにも注目したい。プリントTシャツに、レザージャケットやファーコートを纏ったり、パーカーにフレアスカートやサロペットワンピースを合わせたり…。基本は、ソックスとシューズまで統一したワントーンルックなのだが、時折肌と同化するように、インナーやタイトドレスの一部分にヌードカラーが差し込まれていて、どきりとさせられる。