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ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)が、イタリア・ミラノで2016年春夏メンズコレクションを発表した。クリエイティブ・ディレクターのトーマス・マイヤーがインスピレーションを得たのは、自然に包みこまれるような環境。この“包みこまれる”という表現は、今シーズンのキーを握る。
コレクションは、機能性に優れたアイテムが中心。フード付きコートやポケット付きジャケット、トレッキングパンツ、スウェットパンツなど、スポーツシーンを想起させるウェアが揃う。小物もポップなカラーのシューレースやステッチで、アクセントを加えたスニーカーやサンダル、バックパックまたはクロスボディタイプの新作バッグなど、どのアイテムも、とことん快活な印象だ。
しかし、コレクション全体に、研ぎ澄まされた美しさが宿っているのはなぜだろうか。それはアイテムの特徴やイメージに反した、色選びとデザインが一因かもしれない。
パレットは、ダークカラーが中心で、時折差し込まれる、グリーンやブルー、レッドも、草木や空、花など、自然を想像させるような温かみを持つものをセレクト。またパッチワーク、ストライプ模様、ベルトのアクセントといったデコレーション的要素も、その存在をアピールするのではなく、あくまでそっと見守るような佇まいで、安堵させてくれる。
今シーズン、メゾンが届けてくれたのは、日常にそっと寄り添うようなワードローブ。安らぎに満ち溢れたアクティブウェアも、ゆったりとした空気感を作り出しているジャケットやスーツも、トーマスが憧れる自然回帰の旅へ少しだけ近づけてくれているようだった。
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