2015年3月11日(水)、モンクレール ガム ルージュ(MONCLER GAMME ROUGE)の2015-16年秋冬コレクションがパリファッションウィークで発表された。
会場に足を踏み入れると、草の香りが鼻をくすぐる。ランウェイには、落ち葉や植物が敷きつめられ、ショーがスタートすると、馬が駆け抜ける音が繰り返し流れていた。山だろうか、高原だろうか。そんな豊かな自然を舞台にした今季は、ジョッキーがキーワード。
山道を進むように、モデルたちがじぐざぐに駆け抜けていく。丸い騎士帽を被り、そこから垂らしたポニーテールが風になびいていた。乗馬は、貴族が嗜むもの。そんな高貴な雰囲気がワードローブから溢れてくる。
アウターは、モノトーンのチェック柄またはレッドがベース。ウエストシェイプしたジャケットや襟元に差し色を採り入れたコート、Aラインのミドル丈のものなどが展開。前身頃、あるいは下半分だけに、ファーやアニマルプリントをあしらい、野性的な一面を見せているものもあった。またキルティングとレザーといった異素材の組み合わせやインナーにダウンを合わせた着こなし、ロングジレやマントといったフォルムの変化などを差し込むことで、観客の心をとらえていく。
ボトムスは、スリムパンツまたミニスカートが中心。ジョッキーブーツ、あるいはルーズソックスとブーティーを組み合わせ、クラシックな着こなしが多く見られた。その中で、透け感のあるビニール素材のようなスカートはモダンなアプローチで、貴族の世界から現代へと心をすっと引き戻してくれる。
小物もやはり、気品あるものがラインナップ。首元に巻いたスカーフ、グローブ、ゴールドバングルがポイントのハンドバッグなど。また、立体的なビジューの装飾やベルトを重ね合わせたようなプリントなど、華やかな彩りがウェアを飾っていた。
ラストは、会場に真っ赤なライトが灯され、イギリス近衛兵たちが行進し、ランウェイに集結。足踏みを繰り返しはっと立ち止まると、先ほどまでランウェイを歩いてたモデルたちも同様に、真っ赤なコートとブラックハットで統一して現れた。まるでバッキンガム宮殿の衛兵交代式を見ているかのような英国ムードのなか、ショーは幕を閉じた。