星野リゾートは「奈良監獄ミュージアム」を奈良県奈良市に、2026年4月27日(月)に開館する。

「星のや」ホテル併設の新ミュージアム

「奈良監獄ミュージアム」は、重要文化財「旧奈良監獄」を保存するとともに、その建築美や歴史的価値を継承していく拠点としてオープンする新ミュージアム。「旧奈良監獄」敷地内にて、2026年開業のホテル「星のや奈良監獄」に併設した形で誕生する。なお、「奈良監獄ミュージアム」は、日帰りでの利用も可能だ。

明治期の「五大監獄」で唯一現存する建築物

重要文化財「旧奈良監獄」とは、奈良・長崎・金沢・千葉・鹿児島において明治期に竣工された「五大監獄」のうち、唯一現存している貴重な歴史的建造物。日本の近代化の過程における、国の一大プロジェクトとして生み出された。設計は山下啓次郎が担当し、西洋の装飾様式を取り入れた赤レンガ造の建築を作り上げた。1946年には「奈良少年刑務所」と名前を変え、更生と社会復帰を目指す矯正施設として使用。その後、2017年にその歴史的価値と建築の意匠が評価され、国の重要文化財に指定されることとなった。

「奈良監獄ミュージアム」館内は、主に第三寮や看守所など当時の状態を残した「保存エリア」と、3つの展示棟、カフェ・ショップを併設した「展示エリア」に分かれている。

歴史と建築美に思いを馳せる空間

最大の見所となるのは、重厚さと美しさを兼ね備えた建築。当時の被収容者が刑務作業の一環として職人と共に作り上げた敷地内の赤レンガや、天井から光を取り入れるデザインを採用した、明るい室内空間を実際に見てまわることができる。空間に息づく歴史を体感することができそうだ。

「奈良監獄」にまつわる展示

「奈良監獄ミュージアム」展示棟では、多角的な視点から「奈良監獄」への問いを深めていくような展示を用意。日本の行刑や「奈良監獄」の建築的特徴を紹介するA棟、刑務所での生活やルールを収容された人の視点から見て取ることのできるB棟、様々な価値観や切り口から表現された“監獄”の姿を目にすることのできるC棟の3つで構成される。開館時、C棟では国内外で活動するアーティストが監獄から着想を得て制作した作品が展示される。

明治の洋食文化を反映したカフェやオリジナルグッズが揃うショップ

「奈良監獄ミュージアム」を訪れたら、ぜひ併設のカフェ＆ショップもチェックしてみて。カフェでは、明治時代の洋食文化を反映したオリジナルのカレーパンやチーズケーキ、ご当地ソーダなどのメニューを提供。明治時代に思いを馳せながら、鑑賞の余韻に浸ることができそうだ。また、ショップではオリジナルグッズを揃えるほか、全国の刑務所で作られた刑務所作業品を販売する。

アートディレクターに佐藤卓＆アドリアン・ガルデール

なお、「奈良監獄ミュージアム」のアートディレクターとして、パッケージデザインやグラフィック、NHK E テレ「デザインあ」「デザインあneo」の総合指導などで知られる佐藤卓と、世界13か所以上の美術館の常設展示デザインを手がけてきたアドリアン・ガルデールが参加している。

【詳細】
奈良監獄ミュージアム
開業日 ：2026年4月27日(月)
チケット販売開始日：2026年2月(予定)
所在地 ：奈良県奈良市般若寺町(はんにゃじちょう)18
アクセス ：近鉄奈良駅からバスで約13分、「般若寺」バス停下車徒歩約5分
開館時間 ：9:00～17:00(最終入館 16:00)
定休日 ：なし ※メンテナンス休館あり
料金 ：大人 2,500円～
付帯施設 ：カフェ＆ショップ

■建築概要
建築面積：1,860平方メートル
延床面積：2,463平方メートル
敷地面積：100,478.80平方メートル (星のや奈良監獄を含む)