アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)の2025-26年秋冬コレクションを紹介。
「迷い、そして見つけ出す思考」を今季のテーマに掲げた、クリエイティブ・ディレクターであるステファノ・ガリッチ。自身を旅人に見立て、新たな発見を追求する過程を旅になぞらえた。未知の世界に迷い込み、様々な試練を乗り越えてゆく情景を描いた。
荒々しい風が吹き抜けてゆく、冬の旅路。何層にも服を重ね、シアリングで首元を覆ったコーディネートからは、寒さに耐える旅人の様子が浮かぶ。黒で全身を包み込み、歩みに険しさを感じる重圧感を表現している。
幾度なく重なる試練を突き進むことで生まれる、服の経年変化も見て取れる。ブルーのデニム生地は茶色くくすみ、所々擦り切れている。また、アイボリーのようにくすませた白いワンピースのルックには、スリットやパッチワークを施し、複雑な構造に仕立てている。
白いブラウスに、黒のシアリングとフリンジのストールを纏い、黒のレザーパンツを合わせたコーディネートなど、黒と白が交じり合った無機質な雰囲気が漂うルックが多数散見された。静寂に包まれた広大な大地には、その静けさに溶け込むカラーリングが落ち着くのではないか。
コレクションの最後はユニフォームの要素を取り入れたルックが登場。白いブラウスにストライプのベストとパンツを組み合わせたスーツのルックなど、研ぎ澄まされた佇まいに仕上げている。