エズミ(EZUMi)の2023-24年秋冬コレクションが発表された。
2023年春夏コレクションでテーマにした優美なヴィクトリア時代から続く今季のエズミは、1900年前後のイギリス・エドワーディアン時代の服飾文化が発想源。当時のファッションといえば、ヴィクトリア時代の曲線美を主張するスタイリングから、紳士服とスカートを合わせた着こなしへ、時代の変遷とともに服飾文化も転換期を迎えていた。“もし、そんなエドワーディアン時代の女性たちが現代にいたら…”という発想のもと、新たな女性像を表現する。
エドワーディアン時代を象徴するアイテムとして、デザイナー・江角泰俊が着目したのは、“プリンセスライン”と呼ばれる胸から肩まで続く縫い目が特徴の「エドワーディアン ジャケット」だ。この当時は珍しかった縫製技術を駆使したジャケットは、フェミニンかつ自然なボディラインを描き出す。さらに今季のコレクションでは、男性のスーツに見られるテーラード仕立てを採用することで、マニッシュな要素がプラスされた新しいジャケットに再構築している。
男性と女性のファッションの要素が混在していたことでも知られるエドワーディアン時代。そんな当時のムードを体現するのは、異素材をドッキングしたフレアシルエットのワンピースだ。チェック×無地を掛け合わせたボディ部分は、女性らしく胸元を大きく開け、袖は当時のファッションで男性美を示すレース&フリルをデコレーション。またスカート部分は、レース×チェック×無地の切り替えで、絶妙なバランス感覚を提案している。
また、“デニム”も今季のキーアイテムだ。廃棄予定のデニムを割きツイード状にしたオリジナル生地は、ジャケットやワンピース、スカートへと変身。ライトブルーのデニムジャケットを着用したルックでは、今季らしいボリューミーな袖のブラウスに、チェックスカートを合わせたレイヤードスタイルが提案された。さらにコレクションには、ブランド初のデニムパンツも登場。リジッド調のインディゴカラーで上品な佇まいに仕上げている。
コレクション全体を通して散見されたのは、スカートの裾がふんわりと膨らんだ“バルーンシルエット”。ピンクのワンピースやネイビーのジョッパーズなど、女性が動きやすいゆったりとしたフォルムに仕上げている。なお、カラーパレットは、ブラックやネイビー、ホワイトのベーシックカラーに加え、デニムのライトブルーやインディゴ、差し色のグリーンなど幅広い展開だ。