コッキ(KHOKI)の2023年秋冬コレクションが、2023年3月13日(月)、東京・渋谷のヒカリエホールにて発表された。
コッキは、東京を拠点とするデザインチームが手がけるブランドだ。「人の手が見えるモノづくり」をコンセプトに、多種多様な文化や伝統的技法を組み合わせたコレクションを展開している。複数のメンバーによってデザインが行われる点で、そのプロセス自体に複数的な発想が流れているといえる。
今季のコッキを特徴付けるのが、テイストや手法のうえでの異種混淆性である。テイストにおいては、17世紀ヨーロッパの服飾を彷彿とさせるレース襟付きのローブ、フォークロア長のジャケットやパンツ、カレッジスタイルを思わせるボーダーTシャツやロゴ入りパーカー、フォーマルなテーラードジャケットなど、多様な文化の交錯ともいえる場が展開されている。
それらさまざまなテイストを、その多様性のままにまとめあげるのが、パッチワークやドッキングをはじめ、ブランドが得意とする解体・再構築的なデザイン手法である。たとえばロングコートにはストライプや無地のファブリック、収縮素材など、多彩な素材を組み合わせて構成。ノルディック調のセーターは、アリンメトリックに解体してベストへと再構成。テーラードジャケットは、軽快な素材を用い、大胆にタックを入れてテーラリングのソリッドさを屈折させることで、デザインに襞を含ませた。
キルティングやパッチワークなど、ブランドが得意とする手法も随所に用いられている。デニムパンツは、フロントに細かなパッチワークによって模様を織りなして。あるいは、レザーブルゾンやナイロンアウターには、ショルダー部分をパッチワークで切り替えることで、異なるテイストのアイテムへとパッチワークのディテールを接木している。