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ドルチェ＆ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2022-23年秋冬ウィメンズコレクションは、キーワードに「メタバース」や「ゲーム、バーチャル世界のヒロイン」などを掲げている。陽気なシチリアのムードとアイコニックなブラックを、メタバースというサイバー世界で再解釈し、バーチャル世界に登場するかのような“ニューヒロイン”を誕生させた。
ドルチェ&ガッバーナの描く“ニューヒロイン”は極めてセクシー。かと言って、決してステレオタイプに染まるわけではなく、個性を大切にする彼女たちは、新しいアイデアを積極的に取り入れ、テクニカルな素材や奇想天外なシルエットによって、魅力的なスタイルを自分のものにしているらしい。
そんな中で見えてくるのが「彫刻的、ジオメタリックなシェイプ」といったもうひとつのキーワードだ。クラシックなジャケットは、ショルダーが強調された逆三角形のシルエットで、さながら彫刻の様相。タイトなカクテルドレスあるいはファーコートの袖は、翼のようなボリューム感のパワーショルダーによって、服の概念から逸脱した近未来性と芸術性を纏っている。
見慣れているはずのものを、見慣れないものに変える遊び心は、“ニューヒロイン”たちの得意分野で、白いシャツ、MA-1、ダウンコートといったアイテムは、頭まですっぽり覆う斬新なフォルムで提案。クラシックなスーツのトラウザーは、片足がロングパンツ、もう片方がショートパンツという意外性。典型を破るそれらルックに、あえて華奢なピンヒールのサンダルを合わせる点からも、彼女たちなりのセクシーが感じられる。
シルエットだけでなく、素材使いにも“ニューヒロイン”たちのテクニックが全面に表現されている。カラフルなグラフィックを纏ったファー、グリッターが煌めくメッシュ、光沢のあるクロコダイルプリント……挙げれば枚挙にいとまがないが、とにかくテクスチャーが多彩。光沢のある全身タイツに、センシュアルなブラックドレスを重ねたルックは、さながらゲームの世界に登場するヒロインを彷彿とさせた。
