2013年10月15日(火)、ミントデザインズ(mintdesigns)がラフォーレ六本木ミュージアムにて2014年春夏コレクションを発表した。今季のテーマは"VERTIGO(眩暈)"。
「服づくりを忘れよう」デザイナー八木奈央と勝井北斗の、そんな挑発的な実験から生まれた今季のコレクション。具体的には、”白いキャンバスに絵具をぶちまける”というイメージを土台に、服とは異なる質感を取り入れた。粘り気のある粘土質な顔料で描かれたアーティーなマーブル模様を筆頭に、プリントにも凹凸感を与えて、思わず「触れて見たい!」と思わせる仕掛けを。ダイヤモチーフのホログラムやファー、ラメ糸がキラキラと揺れるギンガムチェック…
そして、実験から見出せたのは、「色の層だけで柄が作れる」ということ。今まで、はっきりとした形のプリントが多かっただけに、カモフラージュ風プリントの中にも、何かのモチーフが隠れているのでは!?と目を凝らして探してみたくもなってしまうが、抽象的な模様の魅力に気づいた今季のミントでは、少女もアルファベットロゴも主張を抑える。
シャツドレスに、トレンチコートの袖を切り落としたかのようなノースリーブコート。アイテムはシャツから派生したようなシルエットの物が目立つ。そして"キャンバス"の要素は、ウェアのフォルムにも表れており、例えばスカートの腰部分のカクカクと角ばったラインや、長く腹部まで伸びて前に突き出ている襟は、キャンバスのような平面的な四角形の布をベースに、折り返すことで立体感を作り上げている。また、バックに付けた絞り紐などで描くギャザーも、要所要所で用いられていることに気づく。
ちなみにテーマについてだが、「直接的にどれがテーマの眩暈というわけではないけど、ショー全体を考えた時に”眩暈”というのが言葉としてあてはまった。」そうだ。
服以外にもプロダクトや建築など、多岐に渡ってデザインを手掛けていきたいとの考えを持つミントデザインズ。"服"という枠に収まらないクリエイションを見せた今回のコレクションは、そうした取り組みの本格的な始動を示唆するかのようだった。