ペイデフェ(pays des fées)は、2021-22年秋冬コレクションを2021年3月19日(金)にオンライン形式で発表した。

「無重力のユートピア」がテーマ

“奇妙かわいい”を主軸にクリエーションを展開するペイデフェは、デザイナー・朝藤りむが手がけるブランドだ。今季は「無重力のユートピア」がテーマ。可愛いものもグロテスクなものも全て包み込む、甘くて暖かい理想の国を描き出し、ファンタジックな浮遊感のあるクリエーションを展開した。カラーパレットはパステルブルーやピンクなど、淡く優しい色味がメインに用いられている。

柔らかなフリルやレース

ふわりとした柔らかな素材やフリル、レースを用いて軽やかに空気を含むロマンチックな佇まいに仕上げているのが印象的だ。オーガンザを重ねたドリーミーなピンクのドレスには、チャーミングな魚のマスコットを装飾。ファーのショールをまとい、ファンシーな装いに華やかなエッセンスをプラスする。

袖口や首元に繊細なレースを配したクラシカルな佇まいのロングドレスは、緩やかに仕立てた袖、流れるようなシルエットが目を引く。身体の動きに合わせてひらひらと生地が舞い、エレガントなムードを漂わせる。

浮遊感のある立体的なフォルム

また、バルーンスリーブのブラウスやAラインのコート、高めの位置でウエストを切り替えたミニドレスなど、立体感のあるフォルムが散見された。下に向かって広がっていく造形ながら、身体の上の方に重心を持たせたスタイルによってイノセントな表情と、浮いているかのような感覚を表現している。

空飛ぶモチーフのテキスタイル

ブルーの布地を空に見立てた、“飛行”モチーフにも注目だ。淡いパステルブルーのライダースジャケットに合わせた細やかなティアードスカートには、ストライプとともに羽ばたく蛾モチーフをプリント。ワンピースやコート、パンツなどに用いられたテキスタイルには、飛行船の形をした鯨と蛾、ハナアブ、そしてかたつむりが描かれている。非日常的なシュールさや毒っぽさを見せつつも愛らしく、遊び心のある模様に仕上げた。