2012年9月19日、ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)がミラノファッションウィークで2013年春夏コレクションを発表した。デザイナーのアレッサンドロ・デラクアがイメージしたのは、SNSのタンブラー(Tumblr)世代の"お高くとまった"視線を通した贅沢さだという。そこには、互いに不調和を描き、目に見えない鬱屈を解き放とうとするスピリットが満ちている。
白とブルーのさわやかなコントラストが印象的なルックでショーがスタート。スカートには、古代ローマの火の女神の巫女"ウェスタの処女"がシリコンプリントされた。
続いて登場したのは、フロントはマスキュリンなシャツだが、バックスタイルがレースになったトップスや、ボックスシルエットのトップスにブラを重ねたデザイン、シンプルなスカートにクリスタルとアルミ製のボトルキャップ型ビジューを刺繍してラグジュアリーに仕上げたものなど。対極の要素が組み合わせられたひとつひとつのアイテムには、均衡のとれた美とアンバランス感が同居している。
クチュールに使用される高級素材をデイリーウェアに取り入れたのも特徴。オーガンザはカラフルなブロッキングのTシャツに、シャルムーズはスウェットシャツに用いられた。そして、クラシックなジャカード生地はスポーティーなシルエットのシャツに仕立てられている。また、カラフルなダミエ(市松)柄は、パイソンのインレイ(象嵌)によって描かれたもの。デラクアの得意とする、フェミニン&マスキュリンな独特のスタイルが、今季は辛口で蠱惑的なムードに包み込まれている。