ジュリアン マクドナルド(Julien Macdonald)の2013年春夏コレクション。都会に生きる、強く自信に満ちた女性がバケーションで美しい島へと旅立つ、というストーリーを出発点に、マクドナルドならではのモダングラマラスな女性像が描き出された。
抑制されたシルエットのボディコンシャスなドレスは、ヌードベージュからグレイ、ディープレッドからイエローと、南の島の空の色をそのまま映し出したようなグラデーションが美しい。さらに、サンゴがモチーフの、ゴールドやシルバー、ブロンズのスパンコールやチェーン、クリスタルの刺繍が、首元をジュエリーような輝きでゴージャスに演出する。総刺繍で仕上げられたドレスは、黄金に輝く人魚のよう。すべて職人の手で長い時間をかけてつくりあげられたもので、これはもはやプレタポルテ(既製服)というよりも、セミクチュールの域だ。
マクドナルドのシグニチャーであるニットは、複雑な模様編みやフリンジがポイントのセクシーなミニドレスやボディスーツに。スイムウェアも大胆なカッティングで、パワフルウーマンのセクシャリティを強調する。
今年1月にロンドン・サヴィルロー近くにアトリエをオープンし、顧客へのビスポークサービスをスタートたマクドナルド。独自の美の世界をあますところなく表現したいという、彼の真摯な想いが伝わってくるようなコレクションだ。