JW アンダーソン(JW Anderson)は、2019-20年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションをフランス・パリで発表した。
今季のコンセプトは、“世界を旅する”。会場内には闇が広がり、地球が装飾されている。宇宙の中で地球がぼうっと浮かび上がっている――幻想的でフューチャリスティックな空気感が演出された。
ファーストルックは、ブラウスをレイヤードした上からファーのティペットを巻き、頭にユニークな帽子をかぶったスタイリング。後に続くルックも、中綿のライニングを施したAラインコートや、丸ごと身体を覆うロングコート、ボリュームのあるストールなど、身体を包み込むようなアイテムを纏っている。それらは、外部から身を守るトライバルな民族服のようでもあり、モダンでスペイシーなムードも感じられる。
アイテムを個別に見ていくと、スケールの大きいコンセプトを象徴するかのように、ダイナミックな造形やデザインが散見される。プリーツを施したドルマンスリーブのブラウスには大きなリボンを配し、オーバーサイズの配色ブラウスの袖には、大胆にスリットが施されている。ウエストにギャザーを寄せたドレスは、ドロップショルダーの仕立てと、切り替えを縁取るかのようなラインによって存在感を増す。
また、分量感のあるパンツには、上からショートパンツをレイヤード。形に緩急が生まれ、構築的なシルエットを描き出している。
曲線の表現も特徴的だ。ブラウスやニットの裾をアシンメトリーにカットしたり、セーターの裾に施したリブを途中で切り離し、垂れ下がるように設計したり。カラーブロックのドレスやブラウスは、色のラインが流れるように歪んでおり、一瞬ストライプのように見える色の切り替えに、スペクタクルなひねりを効かせている。