ランバン(LANVIN)の2017年春夏メンズコレクション。
アーティスティック・ディレクター、ルカ・オッセンドライバーの就任10周年のアニバーサリーとなったシーズン。出来上がったコレクションを彼は「スペースと創造性を重視して製作を進めました」と振り返った。
今季のランバン・マンは、様々な要素のコラージュを重ね、枠にとらわれず自由な印象だ。シルエット、素材、デコレーションなど、あらゆる場面で新しい分野へ踏み出し、いささか実験的なデザインを創出している。
一つに素材。使用されているのはクラシックなテキスタイルであるが、アトリエの技術によりマットな質感へと変わる。明るいサテンは光沢感を忘れ、控えめでインダストリアルな印象へと様変わりしている。
また、フォーマルを代表するジャケット、パンツ、シャツ、ネクタイのマッチ。今季、ネクタイはジャケットに縫い付けられ、パンツにはライトのようにリフレクターが縫い付けられ、未来的な装いへと進化。ボトムスは、短いカフのルーズなデニムや、スポーツ着想のサテンショートパンツまで仲間入りし、アクティブだ。
ロマンティックなシンボルとして君臨するのは、矢、バラ、タトゥーの入ったピンナップガール、星のモチーフ。それからカットに合わせて、ダンスしたりウェーブしたり、変身するカラーストライプ。それらが絶妙なタイミングで差し込まれ、コレクション全体に新鮮さと驚きをもたらす。足元を飾るスニーカー類に「エラー」という文字が呪文のように浮かび上がるのも、ユニークなアイデアだ。