若手の注目デザイナーが新しい浴衣ファッションに挑戦「浴衣 couture exhibition」開催中

文化ファッションインキュベーション(BFI)が、「浴衣couture exhibition」と題し、デザイナー、スタイリスト、アーティスト、そしてBFIメンバーのブランドが、老舗着物店の鈴乃屋より提供された浴衣生地を使用した新しいファッションの提案を行うエキシビジョンを開催している。

後藤彩と八幡夏樹による「aacero」(アーチェロ)は、浴衣生地で作った羽のパーツとリアルフェザーを組み合わせたヘッドピースをデザイン。浴衣生地をブリーチすることで、浴衣独特の柄や色をさらに際立たせた。「vima」(ヴィマ、松本渉、柿沼健太)は、大人と子どものためのドレスを製作。浴衣生地の持つハリ感を活かしたバルーンスカートのドレスがかわいらしい。「Halluci」(ハルシ)のデザイナー内田聖は、ひとつひとつのパーツ周囲のフリンジ部分を編み込んでつないでドレスを構築した。切りっぱなしのボロボロ感がユニークだ。「Yasutoshi Ezumi」(ヤストシエズミ、江角泰俊)は、浴衣生地を細く裂いて編んだスカーフと、長方形に編まれたパターンでできたドレスを製作。美しいグラデーションと、ニットの持つストレッチ性を活かした爽やかな着心地がポイント。

天津憂によるブランド「A DEGREE FAHRENHEIT」(エーディグリーファーレンハイト)は、浴衣生地で作ったトレンチコートを発表。着物の袂(たもと)のような袖のデザインや、伝統的な柄を活かした美しいパターンにより、ドレスのように華やかなコートができあがった。「LAMARCK」(ラマルク)の森下慎介は、クラッチバッグを提案。伝統的な柄の刺子刺繍に、スタッズやチェーンがクールなアクセントになったバッグは、浴衣だけでなくドレスに合わせてもおしゃれだ。個性的な手刷りプリントが特徴のブランド「NEW」(ニュウ、前田えりな、成合貴志)のデザインのポイントは「違和感」。浴衣生地とヒョウ柄や水玉模様を組み合わせ、モダンなドレスが誕生した。光瀧純平によるブランド「e.m.a.」(エマ)は、浴衣生地とレザーを組み合わせるという新しい挑戦に挑んだ。スタッズが施されたり、ドクロ型に切り抜かれたりした浴衣生地のアクセサリーが新鮮だ。「Naoshi Sawayanagi」(ナオシサワヤナギ、澤柳直志)は、黒や白を基調としたシックな浴衣生地を使ったドレスを製作。その他、スタイリストTakaoもセットアップをデザイン。伊勢谷友介率いるRebirth Projectとスタイリスト喜多尾祥之のコラボレーションによって生まれたアロハシャツも限定販売されている。

27日にはオープニングパーティーが開催され、来場者は風鈴の爽やかな音色につつまれながら、ヨーヨーすくいやラムネ屋など小さな縁日気分を楽しんだ。展示は29日まで一般公開されているので、新しい才能と伝統文化の共演を見にぜひ足を運んでみよう。