如己堂は、医学博士として自ら白血病に冒されながら被爆者の救護にあたり、原子病の研究に取り組んだ永井隆博士が療養した庵。熱心なカトリック信者であった博士のために浦上カトリック信者たちによって1948年に建てられ、「己の如く人を愛せよ」という聖書の一節に因んで如己堂と名付けられた。
博士は17冊の著作を残し、その収入の大半を投じて小中学校などに苗木を寄付したり、1950年には子どもたちのための私設図書館「うちらの本箱」を設立したりした。「うちらの本箱」は「永井記念図書館」などへの改称を経て、2000年に「永井隆記念館」として改築・開館し、博士の業績を紹介する施設となっている。