マルニ(MARNI)の2023-24年秋冬コレクションが東京・国立代々木競技場 第二体育館で2023年2月1日(火)に発表された。
初めてニューヨークコレクションに参加した前シーズン。「クリエイティブは自由でフリーダムでなければならない。発表の場がミラノでなければならない理由は無い」と語るクリエイティブ・ディレクター、フランチェスコ・リッソが次の旅先に選んだのは「日本」だ。
舞台となったのは、東京・原宿にある国立代々木競技場 第二体育館。会場は白い布で覆われており、その佇まいは描かれることを待ち望む真っ白なキャンバスを思わせる。
ショー開始時刻が近づくと、白衣を纏った指揮者や弦楽器奏者たちが続々と登場。通常の演奏会と同じようにチューニングが行われると、巨大な和太鼓の力強い音によって日本での初のショーがスタートした。
前半は、黄色と赤をベースにした楽し気なルックが散見された。首元とサイドに大胆なカッティングが施されたトップスや、大きく広がった裾が印象的なワンピース、ジャケットとスラックスのセットアップなどが潔い単色で提案されかと思えば、グラフィカルな柄を落とし込んだアイテムもラインナップ。
たとえば、ノースリーブトップスやニットベストにはブラックやホワイトのドット柄をのせて。ボクシーなミニ丈のドレスやテーラードジャケットにはスマートな格子柄を落とし込んだ。いずれも合わせたソックスにトップスと同様の柄を採用することで、統一感を持たせながら、軽快なリズムを生み出しているように感じられる。
後半に差し掛かると、鮮やかなカラーから一転、ホワイトとブラックをベースにしたモノクロの世界が席巻する。前半から印象はガラリと変わるが、よく見ると鮮やかなカラーのパートで提案されたアイテムと同じデザインのものが織り交ぜられていることがわかる。色の持つ強さを改めて教えてくれるようなラインナップだ。
また、今季はボリューミーなピースも目を引いた。ドロップショルダーのニットトップスは、ボディからショルダーまで驚くほど膨らみ、そのルックスはまるで風船のよう。アウター類もダウンウェアからファーコートまでオーバーサイズのものが幅広く揃い、いずれも肩を見せるようにゆったりと着こなしで提案された。
なお、すべてのモデルが会場から姿を消すと、暗転した観客席にコーラス隊が登場。美しい歌声によって神聖なムードに包まる中、フィナーレを迎えた。