パリファッションウィークで発表されたハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)の2013年春夏コレクション。センジャン・ジャンセンがリミックスした音楽と共に、フラッシュが発光する中を、ゆっくりとモデルが歩いてきた。
ストイックなまでに完璧なテーラリングのジャケットやコートに、着物風のガウンや、細いストラップのロングドレス、エレガントなパンツなどを、美しくコラージュ。帯のようなベルトでつくる豊かなフォルムや、凛とした縦長シルエットに、日本の美への憧れが潜んでいるようだ。
やわらかに透けるドット柄や美しいレース、ジオメトリック柄やストライプなど、生地のバリエーションを増やす一方、カラーパレットは厳選されたダークトーンで展開。
そして、陰翳の世界に浮かび立つのは、折り紙のようなパターンでつくられた、純白の新しいシルエット。ミニマルで構築的、オキーフのカラーのような凛とした気品が鮮烈な印象を残す。それは、東洋と西洋のロマンティシズムが融合した、ハイダーの豊かなイマージネー ションの世界が一歩前進したことを告げるようにラストを飾った。