2011年10月21日、バナル シック ビザール(banal chic bizarre)が2012年春夏コレクションを発表した。
レディスコレクションのタイトルは「Old Future」。「強さ」をキーワード に、バナルらしさをベースにした新しいブランドの世界観を展開した。 「オールド・フューチャー」を「古い未来感」と解釈し、今は消えてしまった昔のフューチャリズムを、グロッシーなヘアスタイルや透明ビニール、シャープなデザインのシューズで表現している。
白と黒をメインカラーに、ビニールのリボンがポイントの花が咲いたようなシルエットのドレスや、バレリーナのチュチュ風ドレス、レースのロングドレスなどで女性らしさを強調する一方で、シャープで構築的なシルエットや、黒いレザーにジッパーやびょうなどメタルパーツがハードなイメージのスタイルも混在させた。ラストルックはトレーンが美しい生成りのウエディングドレス。赤と白のビーズ刺繍と、ピンクに染められた裾が、強さを秘めながらも華やかでナチュラルな側面も持ち合わせる女性像を描き出した。
メンズは「ヴィヴィッド・レンジャー」をテーマに、ブランドスタート時から一貫しているメッセージ性をコレクションに込めた。 今日集まったばかりという素人のモデル達は、黒や白のマスクで頭をすっぽりと多い、プラスチックの向こうからこちらを見つめている。
Tシャツもハーフパンツも、スーツも大きな四角いバッグまでもが、青、赤、緑、パープルと色鮮やかなカラーリングで、昔見たアニメのヒーローを思い出させる。レディスト同じくウッドソールのショートブーツは、角ばったシルエットがポイント。キャンバススニーカーもぎざぎざソールでフューチャリズムを意識した。
「会って対話しようよと、コミュニティーの必要性を訴えたかった。トレンドとは別に、自分がかっこいいと思うものを純粋に作った」とデザイナーの一人である中川瞬は語った。現代のストリートの空気感を取り込みながら、そこからちょっと未来へ進んだコレクション。今着たいもの、でもまだ街にないものがここにある。