パリファッションウィークで発表された、ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)の2012年春夏コレクション。「テーマは作らない。あえて言うならば、テーマよりもその時のムード的なものがテーマ」と語るハイダーに今季インスピレーションを与えたのはイギリスの詩人Lord Byron(バイロン男爵:1788-1824)。
肩をわずかに強調させ、ジャケットは襟を立ててマニッシュなパンツに入れ込んだスタイルには、あえてフラットシューズを合わせてロカビリーな男爵達の集いを描いている。光沢あるパープル、ブルー、オレンジといった鮮やかでカラフルなカラーパレット。シルクサテンや、シフォンなどの軽やかな素材と、重厚感あるレザーとの組み合わせは、ハイダーならではの遊びを加え、ドラマティックに表現された。
着る人に気に入ってもらえる服作りを大切にするスタンスを貫き、緻密な手仕事と豊かなイメージによって作り出されるハイダーの世界は、また一歩新しい次元へと進んだようだ。