クリスチャン ダダ(CHRISTIAN DADA) 2016-17年秋冬ウィメンズコレクションのタイトルは、「LOVE ON THE LEFT EYE / 左眼ノ恋」。日本を代表する写真家/現代美術家である荒木経惟とのコラボレーションで発表されたメンズコレクションの同シリーズとして展開される。
荒木の作品の時代背景を汲み取ることでインスピレーション源とし、それを現代風にアレンジした。写真のモチーフだけでなく、撮影された当時の文化や空気感はアイテム自体にも反映。昭和の女学生を思わせるようなセーラーカラーやベレー帽、ロングスカートなどシンプルに伝わる表現が多用されている。
また、華やかなイメージの象徴でもあるボリューミーなファーコートには、ラビットファーやチベットラムを贅沢に使用。ブランドの定番スタイルでもあるミリタリーアイテムやワイドパンツは、福井県のオリジナルベルベット生地で仕上げている。ブランドのルーツでもある刺繍技術はやレースと、クラッシュした布地の融合が、ラグジュアリーさと昭和の古き良きイメージを表現した。
シンプルなカットソーに縫い付けられた荒木の作品は、コットンデニムのスカートとのミニマルな装いに変化を加えている。また、ルックの随所に見られるベルトのディテールは、荒木のボンテージというアイコニックな部分を「縛る」というキーワードで抽出したもの。現代的な風を感じるコレクションにクラシカルな気配が漂うのは、これらの細部から放たれる雰囲気に違いない。