2015年3月20日(金)、ヨハン・クー ゴールドレーベル(Johan Ku Gold label)の2015-16年秋冬コレクションが、東京・渋谷ヒカリエで発表された。
今シーズンは、1991年のフランス映画『ポンヌフの恋人』からインスピレーションを得たショーを展開。この映画は、主人公であるお嬢様ミッシェルとホームレスの青年が描く、身分の差を超えた恋愛が印象的な作品だ。
映画内に花火のシーンがある。このシーンに最も感銘を受けたデザイナーのヨハンは、様々な角度から、“fireworks”をコレクションに落し込んだ。ランウェイの背後で焚かれた大量のスモークに映し出されたカラーライト。ショーの構成と共に変えられる色味は、赤から、青、そして薄紫へ。花火が創りだす幻想的な光の力を、再現しようとしたのかもしれない。
ランウェイを最初に彩ったのは、レッドのチャンキーニット。首やカラダに巻きつけられたようなデザインが目を惹いた。上半身にボリュームをもたせたフォルムは、燃え上がる炎を連想させた。
カーディガンやストールに合わせられたシャツには、鮮やかなプリントが。ネイビーやブラックベースのシャツに赤や黄色のドットがランダムにプリントされ、花火が夜空に舞い散る様子を表現した。また、文字が織り込まれたストールやニットも。この文字は、映画内のセリフをプリントしたのだそう。
ショーの終盤に登場したのはブラックを基調としたルックの数々。ここで多用されていたのは、6〜7種類のテキスタイルを組合せ、刺繍が施された厚みのある素材だ。これをベーシックなチェスターコートに合わせることで、構築的な襟を生み出した。他にも、生地の重みを利用して、ストンとキレイに落ちたマキシワンピースなど、バリエーション保ちつつ一貫性を表していた。
シルエットが面白いルックは他にも。正方形の布を巻きつけたようなスカートや、大ぶりのフードが付いたコート、ノーカラージャケットなどテキスタイルの美しさだけでなくシルエットの構築にも余念がなかった。