極論、誰のために音楽を作っていると思いますか?
内田:それはもうずっと考えています。自分の歌詞にも「誰に向けて音楽をやっているのか」に対する今の自分の正解みたいなものを落とし込むことが多いです。音楽をやる意味を考え、正解を曲に残す。だから過去の曲を聞くと、その当時の自分がどう人と向きあっていたかを感じます。
音楽って聴いてくれる人がいて成立するので、その人たちのことはすごく考えます。でも自分が気持ちよくなるものでもあると思うので、そのバランスを取っていく作業なんだと思います。
千葉:怜央の言った「音楽は自分が気持ちよくなるもの」という感覚、すごくわかります。俺が好きなミュージシャンも自分のために音楽をやってる人が多いなと感じるし、そういったスタイルに憧れもあります。現状は、もちろん自分のためだけにやってるとは全く思えない。「みんなのために」「自分のために」で頭がごちゃごちゃになりつつ、でも自分のためにやるという気持ちは絶対に忘れないようにしています。
バンドとしてずっと変わらないものはありますか?
関:自分たちは結成当初からずっと、「目標はなんですか?」っていう質問に対して「行けるところまで行く」っていうのを掲げて活動しています。それに関しては結成時から変わっていないです。
あとMVだったり、ライブの演出だったり、グッズ制作にしても、Kroiのチームはかなり出来上がってるんです。 本当に信頼できる、苦楽をともにした、この人たちとだったら一緒にやれるっていう人たちが集まって今になっているので、そのスタイルを崩さずにどんどんスケールアップしていきたいと思っています。
チーム全体で家族みたいな感じなんですね。
千葉:家族みたいな感じですね。グッズに関しては長谷部、そして長谷部と怜央との同級生のPIGBANKがグラフィックを担当していて、仲良しグループのようなスタイルがあって、それも残していきたいなと思います。
ちなみにKroiのなかで家族的な、この人お父さんっぽいみたいな立ち位置とかはあるんですか?
千葉:あ、家族ごっこをグッズの宣伝映像でやったことあります(笑)。
関:千葉がリポーター役で、俺が父さん、怜央が母ちゃん、悠生が息子、益田が赤ちゃんの一家を突撃するという内容で(笑)。
益田:実際そうだよね。俺、実際赤ちゃんです(笑)。
関:そんなに間違いではないキャラ設定だと思います(笑)。
千葉:だってこのなかでお母さん誰?ってなったら絶対怜央だもん。
長谷部:“曲の母”的な意味も込めてね。
千葉:源ですから。
内田:そういう意味ではないだろ(笑)。
ファッションについてもお聞きします。みなさんライブなどでも常に私服だと伺ったのですが、アーティストとして着る服とプライベートで着る服で何か違いはありますか?
長谷部:僕、最近、そのことについて思ったことがあるんです。服を選ぶにあたって、自分は少なくとも「衣装」という観念、“人に見られる服”という考え方があるのですが、周りの服好きな方々にはあまりその感覚がないのだなと。
例えば全身ストライプみたいな、ちょっと面白い格好したいって思うことがあるんです(笑)。ただそれは表に出る人特有の考えなのかなと思ったんですよね。
いつからそういった“服で楽しみたい”という気持ちが芽生えたんですか?
長谷部:昔一緒に千葉さんと住んだときからかな。家の近くの古着屋で色々買ってきて、みんなでファッションショーごっこをするときに、ちょっと小ボケかましたいなって思ったことがきっかけな気がします。
千葉さんは覚えていますか?
千葉:はい。俺はパンイチで登場して、すっげえ笑ってくれました。
関:何をやってるんだよ(笑)。
内田:でも人に見られることはかなり意識するよね。
千葉:ライブで着られるかなって思う。
関:わかる!服買うときに、この服でベース弾いたらどうだろうっていうのはどうしても考えちゃう。
千葉:それに単純に私服だけで着る服よりも、私服もライブもどちらも着れる服の方がコスパ良いじゃないですか。
内田:自分たちは当日会場まで着てきた格好でそのままライブしますって感じでずっとやってきていて。なのでステージの上と日常はわりと地続きな感じがしますね。
ずっとこれがお気に入りだ!みたいな永遠の1着はありますか?
益田:物持ちが良すぎて、5年ぐらい同じTシャツ着てたりするんですよ。「もうお前それ何年着てるんだ」ってみんなに怒られたりします。
内田:それはお気に入りじゃなくて物持ちが良い話だろ(笑)。
関:俺が大学の時に買ったTシャツを7年前かな、Kroi結成したぐらいのときにあげたんですよ。
益田:コダックの黄色いTシャツね。いまだに持ってますね。
関:なので買ってからはもう12年ぐらい着ていることに。
千葉:本当に色褪せたりびろびろになったりしないよね。益田さんが同じTシャツ着てるところ何回も見るけど、常に最初に見た時の状態 (笑) 。
もしかして相当のお洗濯上手ですか?
益田:いやいやいや、普通の洗濯機ですね(笑)。
内田:普通の洗濯機なのになんでなんだ。
益田:あ、でも服を鍋で煮たりします。
え!どういうことですか!?
益田:いや、臭いから。
長谷部:煮沸消毒?(笑)
益田:本当そういう感じ。めちゃくちゃいいんですよ。ライブ遠征とかで1日汗かいた衣装をくるくるくるってまとめて、で、次の日東京に帰るみたいな時あるじゃないですか。そしたらやっぱりびしょびしょのまま保管してるから、洗っても、次着た時になんか匂いがついてるんです。くっせえ、自分の匂いが。それを鍋で20分ぐらい煮ると、臭くなくなるんですよ。
内田:すご。
益田:それやって何年も何年も同じTシャツ着てます。
関:しかもシェアハウスの鍋でやりますからね。
一同:爆笑
長谷部:俺、一緒に住んでたんですよそのとき。普通にカレーとか食べる鍋で煮てるんですよ。
益田:菜箸とかでちょちょちょってやって。
内田:そこも調理器具使うのかよ。
益田:でも100度以上だからあんまり気にしなくてもいいかなと俺は思うんすけどね。
千葉:(笑)まあね。でもこれメンタル的な話だからね。
益田:メンタル的な話か(笑)。
逆に「これは着れないな」「苦手だな」と思うお洋服はありますか?
内田:お互いの服って絶対着なくない?
益田:系統的な話ね?
関:俺、怜央の服着ないし、怜央も俺の服は絶対着ないね。たぶん俺,、悠生の服も着ないし……。
益田:でも俺と関はちょっと似てるとこあるんだよ。
関:やめてくれよ。
内田:やめてくれよって言われてる(笑)。
千葉:全然それぞれ違う服だけど、結局、俺と怜央はよくシャツを着るし、益田さんはTシャツ以外着ないしって感じで、なんとなくそれぞれの色があると思います。