2014年10月14日(火)、東京・渋谷ヒカリエホールにてエーディグリー ファーレンハイト(A DEGREE FAHRENHEIT)が2015年春夏コレクションを発表した。
毎シーズン温度をテーマとしたコレクションを発表している、エーディグリー ファーレンハイト。今回選んだのは、水銀が液体としての質感と金属的な質感を持ち合わせる凝固点、-37.83℃(-37.89°F)。スウェットやTシャツなどのタウンウエアを、いかにセクシーに見せるかにこだわり、コレクションを展開した。
前半は、腰にむすぶ、立体的に重ねる、大きくスリットを入れるといったテクニックを施したスウェットのアイテムが続いた。シャープなイメージのないアイテムに洗練さを与え、ブランド設立当初からのターゲットである自立した女性に相応するルックを展開。結ぶ技術は、ジャケットに見えるベストやオールインワンなどのその他のアイテムにも多用された。
重低音と高音がランダムに鳴り響く音楽はテンポアップになり、ショーを盛り上げる。振動を感じるとスピーカーになる、会場中央の鉄パイプをくぐりぬけると、それに合わせるかのようにモデルたちも足早でランウェイを歩いた。中盤から登場したのは、光の角度によって輝き方の異なるオールインワンやスカート。表面にチタンを吹きつけることで、しわをグラデーションへと変化させた。またブランドロゴが全面にプリントされたハリのあるワンピースやシャツは、透け感のあるデザインから水銀の溶解の様子を彷彿とさせた。
デザイナー天津憂は、今シーズンよりハナエ モリ(HANAE MORI)の新ラインも手掛けた。「だからこそアイテム数を増やし、空間演出にこだわりたかった」とのコメントからも、このコレクションにかける強い意気込みが感じられた。