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イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、2023年春夏ウィメンズコレクションを、フランス・パリで発表した。
「A Form That Breathes —呼吸するかたち—」がテーマの2023年春夏コレクションでは、自らの手から形を生み出す“彫刻創作”の過程や経験からインスパイア。彫刻を創り出す時のアイディアや、フォルム、テクスチャーといった要素を、服作りに落とし込むことで、新鮮で生き生きとした造形の服を生み出している。
今季を象徴するのは、イッセイ ミヤケのアイコニックな“一枚の布”でトルソーの形を表現した「TORSO」シリーズのドレスやトップス、スカートなどのピースだ。デザインチームが実際に手を動かして制作した彫刻のトルソーの形をベースに、優雅なフォルムを描き出した。生地に備わる伸縮性やしっかりとした質感によって、身にまとった時のドレープや、曲線的な布地の流れが生まれ、彫刻のように立体的なフォルムを完成させている。
立体感に加え、弾むような動きを感じるウェアにも注目だ。アイボリーや淡いグリーンのセットアップは、円形のプリーツが特徴的。生地を折った状態で、部分的に円形のハンドプリーツ加工を施すことで、水面に広がる波紋のように連なるプリーツ模様を生み出した。
無縫製ニットドレスは、様々な編み組織を組み合わせることで、まるで生きているかのような有機的な“丸み”や“尖り”を表現。その他、繊細な透け感のニットトップスやスカートは、レースのように細やかな模様と、軽快かつエレガントなシルエットが魅力だ。
また、仕立てだけでなく、グラフィックや色彩を用いて“彫刻”や“造形”の要素を際立たせるルックも登場している。「TORSO」シリーズと同じ素材を用いて、デザインチームが制作した彫刻の形を絵柄にしたプリントジャケットやドレス、水彩絵具で描いたような色味のグリーンやブラック、パープルが幾何学模様を織りなすドレスは、布地の動きと色彩が呼応し、柔らかな印象を演出。
一方、生地・柄ともに“斜め”に切り替えた、ネオンイエロー×グレー、コーラルオレンジ×ブルーといった鮮やかなバイカラーのドレスは、パキッとした色彩が生地のハリやアクティブな躍動を際立たせた。
“体”をイメージした抽象的な彫刻のグラフィックを配したモノトーンのニットドレスは、光を受けたときにぼうっと浮かび上がる陰影のような佇まいが印象的だ。身体に沿う直線的なカッティングに、透け感のある糸で表現されたモチーフがドレープとともに豊かな表情をもたらしている。
