sacai(サカイ)は、2022年リゾートウィメンズコレクションを発表した。

エロルソン・ヒュー率いるアクロニウムとコラボ

注目のトピックスは、sacaiデザイナーの阿部千登勢と長年にわたって親交があるというエロルソン・ヒューが率いるアクロニウム(ACRONYM)とのコラボレーション。sacaiならではのシェイプや生地に、アクロニウムのシグネチャーである機能的なディテール、アウトドアのエッセンスを大胆に組み合わせ、両ブランドの個性をそれぞれ際立たせながらも一体感のあるアイテムを生み出している。

アクロニウムにとって初となるドレスは、ハリのあるタフな質感の生地を採用し、大きなポケットや止水ファスナー、バックルを配してアクティブな佇まいに。サイドに配されたジップを開くとプリーツ加工を施したパーツが現れ、裾に向かって広がりのあるAラインシルエットに変化する。この他、袖にボリュームを持たせたショート丈のパーカや、生地をたっぷりと使ったロングジレが登場する。

また、アウトドアの文脈から、パリのセラミックメーカーであるアスティエ・ド・ヴィラット(Astier de Villatte)ともコラボレーション。プレートやマグカップなどのピクニック用品をセットにした、籐のピクニックバスケットを展開する。

異素材を合わせ“一体感”のある新たな形に

今季の着想源となったのは、2つの素材を貼り合わせるボンディング加工。異なる性質の要素同士を結び付け、新たな1つの形に昇華するというsacaiの核となるコンセプトを、新たな形で表現する。目を引くのは、意外性のある素材同士の組み合わせだ。

光沢感のあるサテンはしっかりとした質感のリップストップナイロンと合わせて、ワークテイストあふれるショートジャケットやスカートに仕上げた。バッファローチェックのスカートやドレスは、透け感のあるシフォン素材をはじめ3つの異なる素材を組み合わせ、柄の大きさや質感のコントラストによって表情豊かな佇まいを演出。

ペイズリープリントやジオメトリック柄ジャカードのセットアップには、撥水加工を施したテクニカル・ナイロンを合わせ、機能性とハリのある質感を生み出している。

異なるアイテム同士のハイブリッドも

また、異なるアイテムを組み合わせる“ハイブリッド”も、大胆ながら一体感のある仕上がりとなっている。トレンチコートとMA-1を融合させたブルゾンや、テーラードジャケットとMA-1をドッキングしたジャケットは、それぞれのフォルムを体に沿うよう折衷させることで、自然な佇まいを構築した。

また、半袖ブラウスやベージュのニット、華奢なキャミソールといったトップスとボトムスを一体化したワンピースも散見されたアイテムだ。ワンピースのウエスト部分で上下を繋ぎとめる構造になっており、ボトムス部分はタックパンツを切り開いたようなパターンが採用されている。