ファセッタズム(FACETASM)の2022年春夏コレクションが発表された。
「a sight with a kiss」と名付けられた今シーズン。まず目を引くのは、チェックやストライプなど、コレクションにアクティブなムードをもたらす柄をのせたアイテムだ。
スリーブにファスナーをあしらったシャツは、ブルーとグリーン、2色のストライプ生地で構成し、遊び心溢れるデザインに。鮮やかなブルーをベースにしたチェック柄のロングコートは、生地をたっぷり使用しつつ、サイドから地面にかけて紐を長く伸ばすことでインパクト抜群のルックスに仕上げている。
今季は、チュールやレースといったフェミニンな素材を用いたアイテムも展開された。裾にフリルがセットされた真っ赤なチュールワンピースは、カラーコントラストを効かせるように、ブラックのパンツやトップスと一緒に提案。肩から胸元にかけて大ぶりのレースを走らせたドレスは、デニムパンツやスニーカーといったラフなアイテムと合わせることで、ロマンチックなムードをより一層引き立たせている。
そんな色鮮やかで華やかなコレクションに落ち着きをもたらすのは、スタイリッシュなテーラードジャケット。いずれも、仮縫いのようなディテールを施したり、ウエスト部分に切り込みを入れたりなど、ファセッタズムらしいプレイフルなアクセントが加えられている。
複数のアイテムや素材を繋ぎ合わせることでユニークなデザインを完成させるファセッタズムらしい提案は、デニムを用いたアイテムで散見された。デニムジャケットは、スリーブのない2つのトレンチコートをドッキングすることで奥行きのあるルックスに。所々にダメージ加工が施されたデニムパンツには、明度の異なる多数のデニムが用いられている。
前シーズンに引き続き、スウェットパンツやフーディなどスポーティなアイテムも登場。中でも、サイドラインのスポーティなパンツやトップスは、裾や袖に立体的なフリルを施してシルエットを変形させ、主役級の存在感を放つアイテムへと昇華させた。
なお、今季のコレクションは、映画監督で脚本家の長谷井宏紀が手掛けたムービーで披露された。制作を依頼した理由について落合宏理は、自身が20代前半だった頃に長谷井のドキュメンタリーデビュー作『W/O』と出会い、上映から20年以上経った今でも刺激を受け続けているからだという。映像には、大都会の至る所に設置された<監視カメラ>に服を掛けながら歩くモデルたちの姿が映し出されている。