![fashionpress[ファッションプレス]](/img/common/logo_0119_1928.svg){kind=logo}
トリコ・コム デ ギャルソン(tricot COMME des GARÇONS)の2020年春夏コレクションは、ノスタルジックなムードの中に“少年”のような遊び心を感じさせるシーズン。
今季のランウェイの中でノスタルジックでフェミニンなムードを構成するのは、てんとう虫を散りばめたストライプ柄、ノスタルジックなモノトーンのチェックパターン、ポップなドット柄、そしてクラシックなリボンのモチーフ。レイヤードのスカートで見る花柄は、シアーな素材に刺繍を施したもので、重なり合い揺れ動き、1枚のスカートの中にドラマを作り出す。
フェミニンに想い巡らせる一方で登場する“少年”的要素は、スレッドキルティングのブルゾンやレザージャケットから見え隠れする。シアーな素材と同じく刺繍で彩られてはいるが、その刺繍もグッと力のある印象。真っ赤なスタジャンには漆黒の薔薇が咲いている。
中盤を占領したキーカラーである“ブラック”は、あえて多色を交えずスタイリングしており、その中で、目を引くのがラッフルやフリルの存在だ。ブラウスの胸元に主張的にあしらわれたり、ティアード風にしてスカートへ施したり……。そして、自由に動くラッフルやフリルは、アシンメトリーや不揃いなパターンのディテールともマッチする。
対照的にホワイトで見せる無垢でクリーンなルックは、控えめの装飾で、透明感のあるテクスチャー。総レースの立ち襟のクリーンなジャケットとスカート、ギャザーで立体感を出したワンピースは、先述したフラワーモチーフやチェックパターンが作る雰囲気とは異なる、幻想的なノスタルジーへと導く。
