ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)の2018年春夏メンズコレクションが、ロンドンコレクションにて発表された。
今季は、音楽を含むカルチャーそのものの背景を落とし込んでコレクションを作り上げた。とりわけ、1970年代後半、イギリスでパンクブームが去った後に起こったコールドウェイヴを念頭に、テクノの要素も感じさせる、無機的で整然とした印象のワードローブを展開した。
アイテムで特徴的なのは、袖なしのトレンチコートやジャケットといったアウターだ。本来、冬に着られるアウターをアレンジし、春夏シーズンのウェアとして提案したところに斬新さを感じる。それらのショルダーには過剰に大きい肩パッドが入れられ、シルエットはオーバーサイズ。ボトムスにはワイドパンツを合わせ、全身で幅広のストレートシルエットを作った。
コーディネートでは、スリーブレスのカットソーの下に、ネックにドローコードを配したアウトドア風シャツを合わせる独特な着こなしが目立っていた。また、シャツやTシャツなどのトップスは、全てパンツにインするのが基本だ。70年代に見られた洋服の着方を元にしているのだろうか、当時の文化へオマージュする気持ちが感じられる。
どこか冷たいダークなサウンドを特徴とするポストパンク/コールドウェイヴのミュージックシーンは、つるっとした素材感や、ネイビー、ブラック×レッドといったカラー、また、装飾性のない無機的なデザインに表れている。そして、そのドライな雰囲気は、電子楽器で音を奏でるテクノのイメージへもつながっていくようだ。
さらに、本コレクションではイギリス文化からの要素が多く登場した。イギリスで発祥したトレンチコート、英国を象徴するチェック柄、そしてもちろん、イギリスを舞台に起こった往年の音楽。コレクションの終盤では、レザーを用いたルックが6つ続けて登場し、ブランドの力強いアティチュードを体現していた。