メゾン マルジェラ 「アーティザナル」 デザインド バイ ジョン ガリアーノ(Maison Margiela 'Artisanal' designed by John Galliano)2015年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。

ジョン・ガリアーノによるメゾン マルジェラの新たなる女性像の提示。大胆な描写と、テクニックの探求が、偶発的かつ潜在的な魅力を引き出すワードローブをもたらした。

中国の泥染めシルクやブリティッシュツイードが、本コレクションのキー素材。また、マダガスカルのラフィアとネオプレン、フランスのパン・ベルベットとアンデスのアルパカなど、相反する性質のものを融合した要素も全体に深みを与えている。

グリーンのテキスタイルで展開されたのは、襟や袖といった従来の洋服の概念を取り払ったかのようなルック。アシンメトリーのフォルムはまるで布で包まれた謎の生命体のようだ。手元や足元には、ホワイトやネイビーのミニマルな小物を配し、デザインのバランスを感じる。

日本の着物を連想する刺繍が施されたドレスも圧巻。「抜染」と手描きの刺繍の様々な技法を組み合わせたパターンが、立体感と気品を放っている。ネオプレンのコートライニングがドレスに変容した姿は、柔らかく優しい、それでいて色っぽい女性の魅力を引き出している。

ショーを締めくくるように、立て続けに登場した2ルック。シルバーのメッシュで構築されたドレスは、ボディに寄り添うミニマルさを感じさせながら裾や肩の装飾でゴージャスなボリュームを演出。単一素材、単一カラーでありながら、豊かな表情と気品を漂わせている。

一方ラストには、身体を取り囲むようにうねるパーツが目に飛び込んでくるドレスが登場。前ルックのミニマルさは忘れ去ったかのように、ふんだんに用いられたファブリックや目元のメイクが煌めき、ラストに相応しい存在感を放った。