ランバン(LANVIN)が、2015年春夏コレクションをパリで発表した。
ブランド創立、125周年を迎えるランバンが贈る今季は、ジャンヌ・ランバンとその娘が描かれたロゴマークにもあるよう、幅広い年代の女性が愉しめるワードローブを提案。ランウェイでは、ヴィオレッタ・サンチェス(Violetta Sanchez)といった往年のモデルから、エディ・キャンベル(Edie Campbell)といった若手までもが登場する。
序盤はシンプルなエレガンスを強調。ファーストルックのヴィオレッタが着用したアシンメトリーなワンショルダーのドレス、ウエストマークをしたブルーのドレスなどミニマリティを極めたものから、アイレットでレースアップしたブラックドレスや、メタルパーツをサイドにしらったものなど、柔らかな素材にハードなアクセントを添えたピースも多く揃う。
続いて展開されたのはテーラードの装い。中でも目立っていたのは、仕付け糸を残したようなアンフィニッシングなデザインを取り入れたジャケットだ。肩や身頃のヘムラインにステッチされた煌めくゴールドの糸は、無造作に垂れ下がっている。フォーマルなアイテムに、あえて加えた不完全さは、リュクスな遊び心。ボトムはリラクシングなワイドパンツを合わせたり、ミニスカートで快活に見せたりとコーディネートに幅を利かせた。
その後はボディラインをカモフラージュした柔らかなシルエットのドレスが中心となる。フェミニンなVネックトップスとミドル丈のフレアスカートといったクラシカルな着こなしから、揺れるリボンがアクセントになったパープルのサテンドレス、裏打ちして立体的に見せた3段のティアードドレスといった、シックなパーティルックが展開。またしなやかな印象を引き締めるかのように、いくつかのドレスにはネックレスのようなスネークチェーンをヘムラインにあしらって、上品な一着にエッジィなディテールをあしらった。またさりげなく手にしたミニバッグもスクエア型で、ハードなアクセントに。
終盤はレースやジャカード、シースルーなどを用いたスタイルが華やかにランウェイを彩る。中でもジャンヌ・ランバンと親交の深かった室内装飾家、アルマン・アルベール・ラトーのアールデコ調のモチーフであるボタニカル柄や動物柄は、アンティーク風のジャカードジャケットやスカート、繊細な素材をレイヤードして幻想的に見せたドレスなどに用いられ、アーティスティックなムードを醸し出した。