ハルノブムラタ(HARUNOBUMURATA)の2024年春夏コレクションが2023年8月28日(月)、上野・東京国立博物館の法隆寺宝物館にて発表された。
「親密な日常のポートレート」をテーマに掲げる今季のハルノブムラタ。着想源となったのは、1960・70年代の華やかな社交界をフィルムに収めた写真家スリム・アーロンズと、青年2人の一夏の恋を描いた映画『君の名前で僕を呼んで』だ。いずれの作品も夏のバカンスを情景として美しく、儚く切り取り、観る者にエレガンスを感じさせる。
デザイナー・村田晴信は今季、そんな夏らしいカジュアルさが融合した、"軽やかなエレガンス"を纏った女性像を提案する。ブランド初となる春夏のランウェイショーは、法隆寺宝物館の風通しの良い水盤を囲んで開催。静寂かつミニマルな空間に、映画『君の名前で僕を呼んで』のサウンドが心地よく流れていた。
ファーストルックには、“ふわりとした”ジャージー生地の純白ショートドレスが登場。足元にはオーエーオー(OAO)とのコラボレーションスニーカーを合わせ、素材から足取りまで軽快な様を表現している。また、シアーなブロックチェックが目を惹くロングワンピースや、濃いブルーのシルクコットンのセットアップなど、こだわり抜いた軽やかな素材のルックも散見された。
さらに、鮮やかなカラーパレットも今季ならでは。モノトーンを基調に重厚なムードでまとめ上げた2023年秋冬コレクションから一転、夕焼けをイメージさせる赤く染まったシルクドレスや、ブルーの海のようなグラデーションを施したチュールトップスなど明るい色使いが印象的だ。
デザイナー・村田晴信が意識したのが、ゆったりと過ごすバカンスで生まれるエレガンス。描く女性像はそのままに、朝はフレッシュなコットンを使用したシャツ、昼はパイル生地のローブ、夜はドレッシーなブラックドレスといった、時間の移ろいとともに変化する空の色やオケージョンに合ったウェアを展開する。ラストルックは、華奢な3本の肩紐が女性らしさを引き立てるブラックのナイトドレスで締めくくった。