タカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.)が2015-16年秋冬コレクション「#0012」を発表した。
「INTRO.」と題された今季。デザイナーの宮下貴裕が2010年にブランドを立ち上げてから、5年間のチューニングを終えた様子を、“イントロ”が鳴り始める瞬間に例えている。それは1980年に『ダブル・ファンタジー』をリリースしたジョン・レノン(John Lennon)が、5年間の主夫生活を終えて新たなスタートを切ったときのように宮下もまた本コレクションにおいて、新しい音色を奏でているのである。
コレクションは、宮下自身がこれまでにデザインしたものや、過去に存在するものを再構築し生まれている。エドワーディアン、ヴィクトリアン、バロックといった歴史的なものから、現代まで続くテーラード、ワーク、ミリタリーなど。コートやジャケットは、当時から変わらない姿を残しながらも、先鋭的な装飾により新しい1着へ進化している。
特筆すべきは、レザーの装飾と星型のコンチョ(飾りボタン)。ラムスキンレザーは細やかに編み上げられ、ウールのチェスターコートやナポレオンジャケット、ポンチョなどを大胆に彩っている。そこにレザーのストリングをあしらったコンチョをいくつもあしらい、ウエスタンなムードが強く押し出された。コンチョは、カスタマイズしてつけることも可能になっている。アウターはその他にもMA-1や、レザーのディテールを配したムートンコートなどが揃う。
また今季のルックでは、かなり幅広の太ベルトを使用した着こなしが印象的だ。ギターモチーフの白シャツとベルベットパンツのコーディネートや、ピンストライプのウールのパジャマシャツやパンツに合わせ、存在感を放っている。妖しげに顔を覆うマスクはNY在住のアーティスト、Shin Muruyamaがウェスタンブーツを解体し、レザーで仕上げた1点もの。
シューズは今季も引き続き、フット ザ コーチャー(foot the coacher)の竹ヶ原敏之介が手掛けている。新作としては素足を覗かせたスウェードのパンプスや、クラシカルなレースシューズなどが登場したほか、フリンジのタッセルをアクセントに添えたショートブーツも。またキジマタカユキ(KIJIMA TAKAYUKI)が手掛けるハットは、プレーンなデザインにスタッズベルトを合わせ、エッジを効かせたバリエーションで提案された。