バルマン(BALMAIN)の2024年春夏メンズコレクションを紹介。
クリエーションの出発点となっているのは、バルマン創業者であるピエール・バルマンの好奇心旺盛なマインド。アメリカ横断の旅に情熱を注いでいたピエール・バルマンが、アメリカンスタイルやアメリカ独自のアイディアを吸収しつつ、自身のデザインに反映していったその姿勢に着目した。
今季のコレクションでは、ピエール・バルマンの初期のメンズウェアに見られるテーラリングやクラシックなアメリカン・ バーシティ・スタイルを基盤に、新たなアプローチを加えたウェアを展開。鮮烈な生地の切り替えや独創的なカラーブロック、リュクスな光沢を備えた素材使いなど、メゾンならではのエレガンスと技術によって、大胆でエネルギッシュな装いを実現させているのが印象的だ。
目を引くのは、デコラティブなスーベニアジャケット。伝統的なアメリカンボマージャケットに端を発し、様々な文化を渡り歩くことで独特なスタイルに派生していったスーベニアジャケットを、ヴィヴィッドなデザインで提案する。レッド、ブルー、イエローのカラーブロックジャケットにはゴールドの装飾を加え、アイキャッチな輝きをプラス。白黒のコントラストが際立つダイナミックなタイガーモチーフのバーシティジャケットには、着物を思わせる襟が配されている。
また、金のドラゴンを大きくあしらったブルゾンや、艶やかなブラックレザーを背景に獰猛な虎が振り返るプルオーバーも登場。ブラックとレッドをベースにしたスーベニアジャケットには、精緻なビーズ刺繍によって虎や植物を描き出し、エネルギッシュな佇まいに仕上げた。
象徴的に用いられているのは、優雅に空を飛ぶ“ツバメ”モチーフだ。春一番を告げる存在として知られているツバメだが、フランスには「一羽のツバメだけでは春にならない」=“Une hirondelle ne fait pas le printemps”ということわざがあることにちなんで、ツバメの群れをウェアに落とし込んだ。あちらからこちらへと自由に飛び回るツバメ柄を配した総柄シャツやエンブロイダリ―ジャケット、ブルゾンなどを通して、明るい日々の到来や春の喜びを表現している。
ツバメの群れをそのまま影絵にしたかのようなシャツには、より立体的に“群れ”を表現したチェスターコートをオン。ブラックのビーズ刺繍でツバメたちを描き出し、黒いフェザーをあしらうことで、躍動感あふれるデザインに仕上げている。