六舞宴(ROKUBUEN)は、2024年春夏コレクションを発表。

“着物反物をどう活かすのか？”を出発点に

日本の伝統文化や技術、着物の概念を大切にしつつ、和風のファッションを提案してきた六舞宴。今季は、「着物反物をどう活かすのか？」という問いを出発点に、着物反物を使った新たなスタイルを模索。「蕾」をキーワードに、着物反物の可能性を探った。

華やかな西陣織を活かしたウェア

特に目を引くのは、きらびやかな西陣織を使ったウェアだ。ブラックのセットアップに映えるウエストベルトとして西陣織を用いたルックや、ウェア全体に西陣織を用いて、その絢爛な表情を生かしたスタイルが披露されている。

唐草模様のセットアップは、繊細に描き込まれた絵柄と西陣織ならではの優雅な光沢を存分に生かし、存在感のある佇まいに仕上げた。また、ノースリーブのワンピースは、直線的な反物の模様の配置を生かしたグラフィカルなデザインに。フロントにジップを施すことで、幾何学的な要素をより一層強めている。

菊の花が浮かぶシックな正絹

また、京都で織られた正絹の反物を贅沢に使用した、シャツやワンピースも登場。“茶錆の黒”をまとったシックな生地表面には、大胆に咲く菊の織模様が浮かび上がる。あえてシンプルなシルエットに仕上げることで、静かながらも主張のある生地の表情を際立たせた。

和と洋のフュージョン

加えて、和装と洋装をフュージョンさせたデザインも散見された。「三人官女」の着物から着想を得たドレスは、赤や青といった鮮やかな色彩の着物生地を用いてアイキャッチに。帯のような太さのバックル付きベルトを、ハイウエストで組み合わせることで、着物の装いにオマージュを捧げつつエッジを効かせている。

また、抜染加工を施したデニムのセットアップや、ちりめんのシャツワンピースを羽織りのようにしてまとったルックなども登場。和柄を思わせる花柄をスペイン産レース生地で表現したワンピースやシャツは、繊細なレースの質感と和テイストが相まって、独特の表情を生み出しているのが印象的だ。