soe(ソーイ)の2015-16年秋冬コレクションが発表された。

デザイナーの伊藤壮一郎が、90年代中期に通った伝説のショップ“NEVER LAND”の、当時のアーカイブコレクションからインスパイアされた本コレクション。当時を思わせるサイズ感と、所々に散りばめられているビビッドな色遣いが特徴的に表現されている。

同じコーディネートを、3人のモデルがそれぞれ纏うという、独特のルックを展開した今シーズン。角度やポージング、体型によって少しずつ表情を変えるウェアの面白さが伝わる演出だ。

ブラウンに近いワインレッドのチェスターコートが象徴的なコーディネートでは、文字がプリントされたブラックのスウェットをレイヤード。そこにキャップやスニーカーを合わせることで、よりストリート感を強めている。また、手にはオレンジが美しいグローブが。差し色として、小さなアイテムをさりげなく合わせるおしゃれ心が、当時の世界観を感じさせる。

オーバーサイズ気味のチャコールグレーのセットアップに、ホワイトのタートルネックを合わせたルックは、今日のストリートファッションに通ずるバランス。足元にはミニマルなスニーカーを合わせながら、自然に力の抜けたセミフォーマルなウェアをまとい、全体の調和を整えている。

フォーマルスタイルにストリートをプラスしたという解釈よりも、ストリートスタイルを、きれいにまとめあげたようなバランスが心地よい2015-16年秋冬。ビッグTシャツや、オーバーサイズのアウターなど、90年代を思わせながら、現代のファッションに大きく通ずるワードローブがずらりと並んだ。