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“刺繍表現”の展覧会「糸で描く物語」静岡県立美術館で、民俗衣装やオートクチュール刺繍など約230点

企画展「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」が、静岡県立美術館にて、2023年7月25日(火)から9月18日(月・祝)まで開催される。2021年には横須賀美術館にて開催され、2023年7月17日(月・祝)までは新潟県立万代島美術館でも開催される巡回展だ。

刺繍を通して各地の文化にふれる

《カロタセグ地方ハンガリー人スカーフ》(部分) 20世紀半ば 谷崎聖子、シェレシュ・バーリント蔵
《カロタセグ地方ハンガリー人スカーフ》(部分) 20世紀半ば 谷崎聖子、シェレシュ・バーリント蔵

針を縫い進めてゆくことで多様なイメージを作りだす刺繍は、伝統的な装飾品から身近な雑貨に至るまで、さまざまな時代と地域で発展してきた表現技法だ。企画展「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」では、民俗衣装や絵本、現代アート、オートクチュールなど、約230点の刺繍作品を一堂に集めて展示し、刺繍を通して各地の文化に光をあてる。

中・東欧の伝統的な民俗衣装

《スロヴァキア北西部トレンチン地方エプロン》 スロヴァキア民俗芸術制作センター蔵
《スロヴァキア北西部トレンチン地方エプロン》 スロヴァキア民俗芸術制作センター蔵

第1章では、中・東欧の民俗衣装を彩る刺繍を紹介。中・東欧の国ぐには、地域ごとに異なるルーツと言語を持つ人びとが、独自の文様や技法による刺繍を伝統衣装に施してきた。たとえば、ルーマニア・カロタセグ地方に住むハンガリー 系の人びとが手がけた刺繍は、力強く素朴な表情が特徴。一方、伝統的に手工芸が盛んであったスロヴァキアでは、1960〜80年代にかけて、優れた指導者たちにより、古い文様を復活させたり、各地の図案を組み合わせたりして、質の高いデザインが生み出された。ここでは、生活のなかで受け継がれてきた刺繍に着目し、民俗衣装や装飾品を展示する。

イヌイットの壁掛け

サラ・イヌクプク 《ダッフル製壁掛け〈お魚の話をするイヌイット〉》 北海道立北方民族博物館蔵
サラ・イヌクプク 《ダッフル製壁掛け〈お魚の話をするイヌイット〉》 北海道立北方民族博物館蔵

第2章で取り上げるのは、カナダの先住民族・イヌイットの人びとが、20世紀後半に手がけた壁掛けだ。20世紀半ば以降、イヌイットは伝統的な狩猟生活から定住生活への移行が進んだ。その経済的自立を支援するため、芸術作品の制作が奨励されるなか、刺繍作品も生まれることとなった。その作品には、狩猟生活や神話といったイヌイットの文化に息づくイメージが、大胆な色彩とユーモラスな造形で表現されている。

近現代アーティストによる刺繍表現

大塚あや子(刺繍)・武井武雄(図案) 《『武井武雄手藝図案集』刺繍》 イルフ童画館蔵
大塚あや子(刺繍)・武井武雄(図案) 《『武井武雄手藝図案集』刺繍》 イルフ童画館蔵

第3章では、近現代のアーティストによる刺繍表現を紹介。たとえば、現代の刺繍家・大塚あや子は、絵本画家・童画家の先駆者である武井武雄の図案集をもとに、巧みな刺繍へと昇華している。一方、チェコのエヴァ・ヴォルフォヴァーが手がける刺繍作品は、手作業を強く感じさせる素朴さと、キッチンクロスといった身近な材料を取り入れた即興性が特徴だ。そのほか、樹田紅陽や蝸牛あや、貝戸哲弥などの作品も目にすることができる。

華やかなオートクチュール刺繍

《イブニング・ドレス「ジェーン・バーキン」》 メゾン・ヴェルモン蔵
《イブニング・ドレス「ジェーン・バーキン」》 メゾン・ヴェルモン蔵

第4章では、フランスのオートクチュールを彩る刺繍に着目。パリには、ディオール(DIOR)をはじめとする高級メゾンの発注に応える、専門の刺繍工房がある。多様なテクニックが存在するなか、特殊なかぎ針によってビーズを縫いとめ、緻密な図案を生みだすリュネビル刺繍は、独特の技法として知られている。会場では、名門メゾン・ヴェルモンが所蔵するヴィンテージ刺繍や、同工房が注文に応える過程で制作した刺繍サンプルを展示し、華やかなオートクチュール刺繍の世界に光をあてる。

展覧会概要

企画展「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」
会期:2023年7月25日(火)〜9月18日(月・祝)
会場:静岡県立美術館
住所:静岡県静岡市駿河区谷田53-2
開館時間:10:00〜17:30(8月11日(金)・12日(土)は19:00まで)
※展示室への入室はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(8月14日(月)、9月18日(月・祝)は開館)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、70歳以上 600円(500円)、大学生以下 無料
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所持者および付添者1名は無料

【問い合わせ先】
静岡県立美術館
TEL:054-263-5857

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