アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)の2017-18年秋冬コレクションが、2017年1月20日(金)にフランス・パリで発表された。
モノトーンのランウェイはロマンティックで、まるで中世ヨーロッパの貴族的スタイルを再解釈したよう。ツーピーススーツは背中中程より上にベルトが位置していたり、ベストは胸下までのクロップド丈であったりと、ハイウエストのコンパクトシルエット。対照的に、マニッシュなボトムスは裾を引くほどボリュームがある。単体で見れば男性的なアイテムの組み合わせのはずなのに、ジェンダーレスなムードが漂う。
基盤を固めるテキスタイルは、黒一色で表現されたストライプ、そして白糸混のブラックツイードや毛足の長いファー、ピンクベージュのシルクなど気品あるものばかり。特にブラウスの素材は、薄くて肌が透けるほど。随所にあしらわれる刺繍が、モノトーンのカラーの中に華やかさを添える小さな手段だ。首元にはレースを巻きつけたり、フリルをあしらったりと繊細なルックが続き、やはり中性的なスタイルは否めない。
細やかな所に目を向けると、リボンを胸元に並べたブラウスも、レザーのグローブも紐によって形作られている。装飾として見る流れる紐のディテールは、トレーンを引くドレスのように可憐。ふわりと宙に舞っていた。