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リック・オウエンス(Rick Owens)の2016-17年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。
今シーズンのテーマは、メンズコレクション同様に、絶滅ゾウを総称する「マストドン」。しかし、淡い色彩とソフトなファブリックを用いて、別アプローチで題材にせまる。その表現は“天に召されるとき”と例えられるほどに、満ち足りていて穏やかだ。
リックの手書きデッサンをもとに作られているいうドレープは、逆毛を立てたモヘアのベアドレス、ベルベットのボリュームケープ、ポニーのノースリーブドレスなど、様々な素材をキャンバスに美しく描かれている。ベルベットのボクサーパンツには、もう一枚布を重ねてふくらみをもたせ、ダウンのショートジャケットはひねりを加えて、プレイフルに。
その流動的なラインは、サブテーマである、サルバドール・ダリの作品『水面に象を映す白鳥』を想起させる。白鳥たちのかしげた首、水面に映る青空、渦をまいたような木の枝。それらは、洋服の波うつ線とリンクするようで、コレクションピースによりアーティスティックな要素を芽生えさせる。
カラーは、珍しくパステルカラーを採用。インテリア・デザイナーの作品からヒントを得たというグリーンは、ロングコートをデコレーション。肩から裾にかけて“カップケーキに砂糖をふりかけるように”刺繍を大きく配したり、ランダムに別布で覆ったりして。
足元は、アディダス バイ リック・オウエンスの新作。スニーカーシューズのソールをベースにサイハイブーツにアレンジしたもので、装いに連動させ、ベーシックなブラックからパウダーカラーまで揃える。
