特別展「藤野一友と岡上淑子」が、福岡市美術館にて、2022年11月1日(火)から2023年1月9日(月・祝)まで開催される。

藤野一友と岡上淑子の二人展

特別展「藤野一友と岡上淑子」は、ともに1928年に生まれ、シュルレアリスムの影響を受けた作品を制作したふたり美術家、藤野一友(ふじの かずとも)と岡上淑子(おかのうえ としこ)を紹介する展覧会だ。

藤野一友は、神話や西洋古典絵画、シュルレアリスムからの影響のもと、緻密な描写による幻想絵画を手がけた画家だ。その活動は絵画のみならず、舞台の演出・美術、詩や小説の執筆、装幀、挿絵、そして映画と多岐にわたるものの、1965年に病に倒れ、1980年にこの世を去った。

一方、美術家の岡上淑子は、コラージュ作品で知られている。活動期間は1950〜56年と短いものの、進駐軍が残した洋雑誌の写真からイメージを切り抜き、それらを組み合わせることで作られた作品は、発表当時から注目を集めた。

藤野と岡上は、1951年に文化学院で出会い、1957年に結婚。ふたりの作品は、シュルレアリスムの影響や受容のもとで考えることができるとともに、女性の身体を主要なモチーフとしている点も共通している。時に断片化し、時に変容するその身体には、藤野作品では家父長的な戦後日本社会における男性優位の視線を、一方で岡上作品においては戦後日本の女性が抱いていた夢と苦悩を、それぞれ見てとることもできる。

本展は、藤野の《ルクレチア》や《カテドラル》、《抽象的な籠》、岡上の《トマト》《戦士》、《彷徨》など、両者の作品を時代順にたどる2つの個展形式で構成。ふたりの作品の表現の特徴、共通点や差異を浮き彫りにするとともに、その活動の背景をなす時代性にも光をあてる。

展覧会概要

特別展「藤野一友と岡上淑子」
会期：2022年11月1日(火)〜2023年1月9日(月・祝)
会場：福岡市美術館 2階特別展示室
住所：福岡市中央区大濠公園1-6
開館時間：9:30〜17:30(入館は閉館30分前まで)
休館日：月曜日(1月9日(月・祝)は開館)、12月28日(水)〜1月4日(水)
観覧料：一般 1,300円、高校・大学生 800円、中学生以下 無料
※20名以上の団体および満65歳以上は100円引
※高校・大学生は券売所にて学生証や生徒手帳など提示
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の提示者とその介護者1名、および特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)受給者証、先天性血液凝固因子障害等医療受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証の提示者は観覧無料

【問い合わせ先】
福岡市美術館
TEL：092-714-6051 (代表)