2012年10月16日(火)、「シセ(Sise)」が2013年春夏コレクションを発表した。テーマは「黒夜にみた一縷の希望」。先の見えないネガティブな現代に、デザイナーたちがみた一筋の希望を服に託して表現した。真っ暗な会場には、ピアノの調べと共に、波の音や子供たちの声が響き、少年時代の記憶を呼び起こすようなムードに包まれながらショーはスタートした。
コレクションは、シャツやジャケット、ショートパンツ、パーカなど定番のアイテムを、柔らかな素材で表現。透ける様に薄いニットや、光沢感のある生地、落ち感のある柔らかい素材などを使用しクリーンでイノセントな雰囲気だ。暗い会場に浮かび上がるようなオールホワイトのコーディネートは、真っ暗な夜に射す一筋の光を思わせる。
カラーパレットは、ホワイト、グレー、ブラックなど。ジャケットの裾に施されたカラフルなチェック柄がポップなアクセントになった。「ストリートをモードに昇華する」ことを意識しているシセらしく、コーディネートの仕上げには、ベースボールキャップやスニーカーを合わせストリートテイストを加える。ベーシックな色使いもあり、非常にプレーンな印象を受けるが、シャツにVネックのブラウスや細い空きのUネックのカットソーをレイヤードするなど遊び心も垣間見える。
誰もが不安を抱える時代のなかで、どこまでもピュアでまばゆい程に輝く、希望の光を示すかのようなコレクションだ。