2012年4月27日(金)〜8月26日(日)、「テマヒマ展〈東北の食と住〉」が21_21 DESIGN SIGHTで開催される。東日本大震災を受け昨年7月に開催した特別企画「東北の底力、心と光。『衣』、三宅一生。」に続き、三宅一生とともに21_21 DESIGN SIGHTのディレクターを務めるグラフィックデザイナー・佐藤卓とプロダクトデザイナー・深澤直人の視点から、東北の「食と住」に焦点を当てる。

東北のものづくりには、合理性を追究してきた現代社会が忘れてしまいがちな「時間」の概念が、今もなお生き続けている。長く厳しい冬を越すなかで、繰り返し根気よく行われる手仕事。暦に寄り添い素材を準備する、自然が息づく謙虚な暮らし。未来を考えるデザインの観点からも注目したい「手間」や「ひま」(時間)というプロセス。テマヒマかけた東北のものづくりが可能としてきた特色や魅力、そして何よりその考え方を私たちはどのように明日へつないでいけるのかを追究した企画展となっている。

開催に向けて東北6県の「食と住」をめぐるリサーチを重ねてきたのは、佐藤や深澤をはじめ、日本の食のブランディングを手掛けるフードディレクター・奥村文絵や、デザイナーの作品解説なども多数執筆し、キュレーターとしても活躍するジャーナリストの川上典李子、世界企業のブランディングやキャンペーンウェブサイトを手がける傍ら、様々な地域活性化企画に参加するトム・ヴィンセントや、ドキュメンタリーディレクターとして活躍する山中有、そして広告撮影を中心に活動する写真家・西部裕介らで構成されたチームだ。

歴史のなかで培われた独自の伝統を継承する農家、時代や社会の動きを見つめ手仕事を再興する職人、若い才能とともに新たなものづくりの可能性を開拓する工房−。粘り強く前向きな東北の人々との出会いが、展覧会というかたちに結実している。

会場では、佐藤のグラフィックと深澤の空間構成により、東北のテマヒマかけた「食と住」にまつわるものづくりを撮りおろしの映像や写真を交えて紹介。東北の文化や精神を背景に生まれた数々の知恵や工夫から、今後のデザインに活かすべきキーワードをひも解いていく。

「食と住」という身近なものだからこそ、誰しもが感じるもの、暮らしに取り入れることができる何かがある。そんな私たちの未来に向けたヒントを探しながら、ぜひ楽しんでほしい。

【イベント詳細】
テマヒマ展 〈東北の食と住〉
会期:2012年4月27日(金)〜8月26日(日)
休館日:火曜日(5月1日は開館)
開館時間:11:00〜20:00(入場は19:30まで)
入場料:一般1,000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料
会場:21_21 DESIGN SIGHT
場所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
展覧会ディレクター:佐藤 卓、深澤直人
企画協力:奥村文絵、川上典李子
映像制作:トム・ヴィンセント、山中 有
写真:西部裕介
URL:http://www.2121designsight.jp/program/temahima/