特別展「近代日本画の真髄 児玉希望 千変万化、驚異の筆力展」が、広島県立美術館にて、2024年10月4日(金)から12月1日(日)まで開催される。
大正〜昭和時代における日本画壇を牽引した巨匠、児玉希望(こだま きぼう)。仏画、大和絵、花鳥画、浮世絵、歴史画、油彩画、水墨画、抽象絵画など、さまざまな画派や画風、画題を横断した希望は、古典の探究や自由な発想、卓越した筆力をもとに、多彩な画業を展開したのであった。
特別展「近代日本画の真髄 児玉希望 千変万化、驚異の筆力展」は、作風を多様に変化させつつ日本画の可能性を追求した、希望の画業を紹介する展覧会。約120点におよぶ希望の作品に加えて、川合玉堂や横山大観、伊東深水など、希望とゆかりの深い日本画家の作品も展示し、多角的に画業を紹介する。
明治31年(1898年)広島に生まれた希望は、円山四条派と狩野派の技法を学んだ日本画家・川合玉堂に師事。風景画と花鳥画によって帝展で認められるなど、早くから頭角を現した。こうしたなか、昭和14年(1939年)には一転して歴史画を発表し、翌年からは浮世絵風の美人画を次々に手がけている。本展の前半では、《暮春》など、帝展で注目された風景画や花鳥画に加えて、《雨晴》といった美人画、歴史画などを展示する。
第二次世界大戦で敗戦を喫した日本では、自国の文化の反省が迫られ、旧来の日本画もまた問い直されることになった。希望は新たな作風を模索するなか、ピエール・ボナールやオディロン・ルドンなどの近代西洋絵画に目を向け、色彩豊かな作風を試みている。会場の中盤では、《室内》や《春のバンガロー》など、洋画風の日本画を目にすることができる。
昭和32年(1957年)から約1年間、希望はヨーロッパに滞在している。その目的は、日本の伝統絵画の国際的な評価を見るとともに、西洋美術を本場で学び、戦後の日本画が進むべき方向を見定めることにあった。特に水墨画に手応えを得た希望は、当時隆盛していた抽象絵画「アンフォルメル」の動向を踏まえつつ、帰国後に「新水墨画十二題」シリーズを発表している。また、昭和37年に発表した《踊》では、モチーフに省略や変形を加えるなど、抽象化へと作風を深化させた。本展の後半では、渡欧後に手がけられた「新水墨画十二題」や《踊》などを紹介する。
特別展「近代日本画の真髄 児玉希望 千変万化、驚異の筆力展」
会期:2024年10月4日(金)〜12月1日(日)
会場:広島県立美術館
住所:広島県広島市中区上幟町2-22
開館時間:9:00〜17:00
※金曜日は19:00閉館、10月4日(金)は10:00開場
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:10月28日(月)
観覧料:一般 1,500円(1,300円)、高校・大学生 1,000円(800円)、中学生以下 無料(未就学児含む)
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳の提示者および介助者(1名まで)の当日料金は半額
※前売券は、広島県立美術館、セブンチケット(セブンコード 106−574)、ローソンチケット(Lコード 62217)、チケットぴあ(Pコード 687-020)などにて販売
【問い合わせ先】
広島県立美術館
TEL:082-221-6246