火喰鳥を、喰う
2025年
監督:本木克英
1999年。厳格な家庭に縛られてきた近田貴子は、恋人との結婚を否定され、ある計画に踏み出す。それは、立派な経歴を持つ男と結婚し殺害、その人生を恋人に引き継がせ“夫婦”として生きる計画だった。しかし、貴子の歪んだ欲望は止まらず、殺人は繰り返されていくー。そんな世間を震撼させた〈配偶者入れ替え連続殺人事件〉から数十年。事件を元にした禁断の舞台が作られることになり、夛田が主演を射止める。だがそこからがこの舞台の悪夢の始まりとなるー。この男は一体何をしでかすのか?
『本当にあった話(の話)』は、〈配偶者入れ替え連続殺人事件〉を元にした舞台づくりを発端に、人の欲望と支配の連鎖を描くディストピア映画。主演の夛田が、共演者や脚本家、演出家までも巻き込みながら周囲を掌握し、物語は不穏に崩れていく。誰もが抱えながら語らない“グロテスクな本音”や、“正しさ”がエゴによって歪められる瞬間を、ブラックでシニカルな視点で映し出す1本となっている。