開戦前夜
2026年
監督・脚本:石井裕也
戦争で家族を失い、社会からこぼれ落ちた子どもたちがいた。音楽家の父のもとで普通に暮らしていた少女・琴子も、戦争と敗戦によってすべてを失い、生きるために自分自身を手放す選択を迫られる。性的搾取の危機が広がる現実から逃れるため、琴子は自らの性別を隠し、少年として生きる道を選ぶ。一方、かつて教師として軍国主義教育に加担していた曽根も、敗戦とともに信じていたものも立場も失っていく。過去に背負ったものと抗えない現実のあいだで揺れながら、2人は過酷な運命を辿っていく。
西川美和が原案・脚本・監督を務めるオリジナル作品。戦後の日本を舞台に、少女であることを隠して少年として生きる12歳の琴子と、かつて軍国主義教育に加担し敗戦で立場を失った教師・曽根の姿を描く。戦争によって日常を奪われた者たちが、自分を手放しながらも生き延びようとする過酷な運命が軸になる。小八重葵美と二階堂ふみのW主演で、これまで語られてこなかった戦後の現実を女性主人公の視点から映し出す1作だ。